【株式評論家の視点】フェローテックホールディングスは半導体関連人気続く、11年6月高値2246円奪回となるか注目

株式評論家の視点

 フェローテックホールディングス<6890>(JQS)は、平成29年4月1日から「株式会社フェローテックホールディングス」と社名をあらため、持株会社体制に移行。持株会社はグループ会社の経営管理や研究開発業務を担い、事業子会社である「株式会社フェローテック」は顧客サポート、営業、製造、品質保証などを行っている。グループ会社として、磁性流体シール、真空シール、磁性流体、サーモモジュール、石英、パワー半導体用基板(DCB)を手掛ける株式会社フェローテック。ファインセラミックス、マシナブルセラミックスを手掛ける株式会社フェローテックセラミックス。CVD-SiC、独自のCVD-SiC成膜技術によるベストソリューションを提供する株式会社アドマップ。乾燥機 連続洗濯機 業務用洗濯機 業務用クリーニング機器を手掛ける株式会社アサヒ製作所。石英、シリコン製品、イットリア(Y2O3)コーティングサービスを行うアリオンテック株式会社を擁している。

 今2018年3月期第1四半期は、半導体等装置関連事業においては、有機ELパネル製造装置向けの真空シールが好調で、金属精密加工技術を用いたエンジニアリング・サービスの受託製造も増加。また、半導体製造装置メーカーやデバイスメーカーからの旺盛な需要があるマテリアル製品は堅調に推移。電子デバイス事業においては、主力のサーモモジュールが、次世代型の移動通信システムの通信機器用途が好調、北米自動車向けの温調シートは、概ね計画通りに推移。太陽電池関連事業においては、同事業の不採算製品の構造改革策を進めており、前四半期と比べ損失幅が縮小した。 

 今18年3月期第1四半期実績は、売上高207億9300万円(前年同期比20.8%増)、営業利益は22億6800万円(同38.5%増)、経常利益17億4700万円(同77.5%増)、純利益9億2500万円(同2.0倍)と大幅増益着地。

 今18年3月期業績予想は、売上高830億円(前期比12.4%増)、営業利益82億円(同44.7%増)、経常利益71億円(同25.1%増)、純利益42億円(同29.0%増)を見込む。年間配当予想は、20円(第2四半期末10円、期末10円)の2円増配を予定している。第1四半期で、半導体製造装置向けのマテリアル製品の受注が一定水準で推移し、期初計画を達成で出来る見通し。営業利益は、マテリアル製品のミックスの変化および量産効果による歩留りが向上したことから期初計画を10億円上回る見通し。

 株価は、4月12日につけた年初来の安値1161円を底に9月19日に年初来の高値1919円と上昇。高値圏で頑強な動きとなっていたが、同29日に1939円と買われ高値を更新している。52週移動平均線がしっかりサポートしており、中長期的な上昇トレンドが継続している。半導体ウエハー事業で中国杭州市と提携など海外展開に対する期待感があり、半導体関連物色の流れに乗っており、2011年6月高値2246円奪回となるか注目されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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