【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本アジアグループは調整一巡感、営業損益改善基調を評価して反発期待

銘柄分析

 社会インフラ・環境・エネルギー関連の日本アジアグループ<3751>(東マ)の第3四半期累計(4月~12月)連結業績は大幅増益となりました。株価は25日に15年度の太陽光発電買い取り価格が27円となったことを受けて前日比26円高と上伸する場面がありました。550円~600円近辺でモミ合う展開ですが調整一巡感を強めています。営業損益改善基調を評価して反発展開が期待されます。

 インフラ・環境・エネルギー関連にグループ経営資源を集中し、空間情報コンサルティング事業(国際航業の防災・減災・社会インフラ関連事業)、グリーンプロパティ事業(土壌・地下水保全コンサルティング、戸建住宅・不動産関連、太陽光発電施設設計施工など)、グリーンエネルギー事業(欧州と国内での太陽光発電所開発・運営・売電事業)、ファイナンシャルサービス事業(日本アジア証券などの証券業)を展開しています。震災復興・防災・減災・社会インフラ更新関連、メガソーラー関連、環境・エネルギー関連などテーマ性は多彩です。

 再生可能エネルギー関連事業に関して、14年10月にJAG国際エナジーが、東京都が創設する官民連携再生可能エネルギーファンドの運営事業者に選定されました。また14年12月にはシーベルインターナショナルの経営権を取得しました。シーベルの流水式(超低落差型)小水力発電装置スモールハイドロストリームを活用して、小水力発電事業を再生可能エネルギー関連事業の第2の柱に育成する方針です。

 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度については、太陽光発電の買い取り価格(出力10kw以上)を15年度に20円台に引き下げる見通しとなっていましたが、経済産業省が2月24日に示した価格案で、14年度から5円引き下げて27円とすることが明らかになりました。

 また3月14日~18日に仙台で開催される国連防災世界会議に参加・協賛する予定です。国際航業の会長は国連国際防災戦略事務局(UNISDR)の民間セクターグループ(PSAG、DRR-PSP)の議長を務めています。

 なお3月1日実施予定としていたグループ内組織再編(1月20日発表)について、2月26日に一部を除いて中止(延期)すると発表しました。成長の加速と株主還元の早期化を目的として中間持株会社の解消や、事業環境に沿ったグループ会社間の事業・資産の組み換えを行う予定でしたが、あらためて検討を進めて、新たな組織再編案の詳細が固まり次第、来期(16年3月期)の株主還元方針として開示するとしています。

 2月12日発表の今期(15年3月期)第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は売上高が前年同期比0.3%減の482億22百万円、営業利益が同59.8%増の22億99百万円、経常利益が同12.7%増の13億90百万円、純利益が同2.4倍の13億26百万円となりました。

 空間情報コンサルティング事業は稼働率向上やコスト管理強化の効果で営業赤字が縮小し、グリーンエネルギー事業は太陽光発電所施設の稼働が増加して大幅増収となり営業黒字化しました。純利益は投資有価証券売却益7億24百万円の計上も寄与しました。

 通期の連結業績見通しは前回予想(11月13日に増額修正)を据え置いて売上高が前期比1.8%増の757億円、営業利益が同2.7%増の46億円、経常利益が同23.2%減の29億円、純利益が同3.7%増の26億円としています。

 空間情報コンサルティング事業における収益性向上、グリーンプロパティ事業における太陽光発電関連の開発・運営受託の増加、グリーンエネルギー事業における国内メガソーラーの稼働増加が牽引します。投資有価証券売却益(通期ベースでは8億24百万円計上予定)も寄与します。

 通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が63.7%、営業利益が50.0%、経常利益が47.9%、純利益が51.0%です。やや低水準の形ですが、空間情報コンサルティング事業およびグリーンプロパティ事業の売上が第4四半期(1月~3月)偏重の収益構造のためネガティブ要因とはならず、通期ベースでも営業損益改善基調が期待されます。

 なお13年12月に発行した第3回~第6回新株予約権に関して、その全部を取得して14年12月に消却しました。収益が計画を上回る状況で推移して営業キャッシュフローが改善していることに加えて、株価が下限行使価格を下回る水準で推移して行使が進んでいないことを考慮しました。

 株価の動きを見ると、14年11月の戻り高値735円から反落し、550円~600円近辺でモミ合う展開です。ただし大きく下押す動きは見られず調整一巡感を強めています。2月25日には15年度の太陽光発電買い取り価格が27円となったことを受けて前日比26円(4.61%)高と上伸する場面がありました。

 2月26日の終値581円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS98円41銭で算出)は6倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS823円96銭で算出)は0.7倍近辺です。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面ですが、52週移動平均線近辺で下げ渋り、調整一巡感を強めています。営業損益改善基調を評価して反発展開が期待されます。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■「ちきゅう」を投入、令和8年1月から2月にかけて実証  内閣府戦略的イノベーション創造プログラム…
  2. ■人工知能基本計画が始動、利活用から開発への循環促進、世界最先端のAI国家を標榜  政府は12月2…
  3. ■222社分析で売上2兆円台復帰、利益は1,435億580万円へ倍増  東京商工リサーチ(TSR)…
2026年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

ピックアップ記事

  1. ■上方修正を重ねる銘柄群が相場の主役に  同コラムは今週、ダブルセット銘柄、トリプルセット銘柄、フ…
  2. ■政治安定を好感、全面高期待が再燃  超短期決戦だった衆議院議員選挙が、昨8日に投票され即日開票さ…
  3. ■総選挙後に本番、米・卵関連株など食料品銘柄に再評価期待  消費税減税をめぐる関連株の動向が、過去…
  4. ■円安・円高が日替わり、内外市場で一波乱二波乱の可能性  内外のマーケットが激動含みである。これが…
  5. ■地方銀行:収益改善、昨年11月の業績上方修正が寄与  昨年来高値更新銘柄の1割超を占める銀行株は…
  6. ■超短期決戦の総選挙で市場動向が政治判断に影響  いよいよ衆議院議員選挙だ。みょう27日に公示され…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る