クリーク・アンド・リバー社は映像制作などの需要旺盛で営業利益など3期連続最高益を見込む

■AI(人工知能)事業では実力派の投資信託会社が評価

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)が5日発表した2018年2月期の連結決算は、映像、テレビ番組、Web制作などのクリエイティブ分野や、医師紹介、臨床研修情報サイト運営などの医療分野などが計画を上回って推移し、売上高は前期比0.5%増の267億800万円となり、8期連続増加して7期続けて最高を更新。営業利益は同12.2%増の18億600万円となり、2期連続の最高益更新となった。純利益は同23.7%増加して11億300万円となり、やはり2期連続最高を更新した。

 売上高は、韓国で展開する事業を持分適用会社にした都合で幾分圧縮され、これがなければ前期比10%の増加になっていたとした。

■VR(仮想現実)関連事業はレジャー・教育・医療研修などに好調

 主な事業分野では、クリエイティブ分野が業務請負を中心に拡大し、制作スタジオを中心にテレビ番組の企画・制作力を強化してバラエティ番組やドキュメンタリー番組の需要増に対応した。YouTube(ユーチューブ)の「オンラインクリエイターズ」の運用では、クリエイターによってアップロードされた動画の再生回数が増加し、ゲーム開発も順調に推移した。VR(仮想現実)関連事業は、一体型ゴーグル(ヘッドマウントディスプレー)を法人向けにレンタルするサービスにおいて、観光・レジャー・教育研修・医療研修などの多様なコンテンツの提供やプラン策定などのサービスを拡充した。

 また、17年12月には、ネット上のSNS(交流サイト)で多くの聴衆を集め、影響力をもつ書き手である「インフルエンサー」を支援、マネジメントする合弁会社forGIFTを設立し、ファッションとライフスタイルの分野で活動を開始した。直近は150名が所属し、1万名を超えるインフルエンサーのネットワークに拡大している。

 18年1月には、AI(人工知能)でIBMの「ワトソン」の性能を一部しのぐ特性を持つとされるAI「SmartRobot」を開発した台湾のインツミット社に出資し合弁会社を設立。まだ活動を始めたばかりだが、このチャットボットを、さわかみ投信(東京都千代田区)などが導入する運びになっている。さわかみ投信は、飛び抜けた運用成績のファンドを多数輩出してきたことで知られる。

 今期・19年2月期は、映像、番組、Web制作などの請負業務をはじめとして、クリエイティブ分野と医療分野で旺盛な需要があり、連結売上高の見込みを295億円(前期比10.5%の増加)とする。新規事業では、新たに設立したAI事業会社、インフルエンサー事業会社を含む10社のうち、前期で4社が黒字化しており、さらに大きく成長する有望株が現れる可能性がある。

 法曹分野のエージェンシー事業を行うC&Rリーガル・エージェンシーでは、前期末で登録弁護士が1万700名を超えており、今期は世界中の弁護士を繋ぎグローバルニーズに対応する目的で開発してきたサイト「JURISTERA(ジュリステラ)」が本格稼働する。

 営業利益は19億5000万円(同8.0%増加)の見込みとし、旺盛な需要などに対応するため秋に本社などを移転する費用を販管費に1億5000万円計上する予定だが、3期続けて最高を更新する見通し。純利益は11億5000万円(同4.2%の増加)とし、やはり3期続けて最高を更新する見込み。1株利益は54円29銭の見込みとした。(HC)

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