【業績で見る株価】ストリームは今期利益倍増の見込み、相場が静かになり業績変貌株を再び注目する局面に

■2019年7月の設立20周年に向け大胆なグループ再編など推進

 ストリーム<3071>(東マ)の株価は、3月中旬に110円台から153円まで4割近く急伸した。3月14日に発表した今期・18年1月期の業績見通しを売上高は前期比13%の増加とし、営業利益は同2倍に急回復する見込みなどとしたため、注目が殺到した。

 同社は、家電製品やIT機器などのインターネット通販を「ECカレント」「ワンズマート」などのサイトで行うほか、「楽天市場」や「Amazonマーケットプレイス」などの外部サイトにも出店し積極展開している。さる3月14日に2018年1月期の連結決算を発表し、売上高は前期比1.8%増の224.3億円となり計画を上回ったが、物流費の増加があったほか、下期から翌年度に向けたプロモーション企画を強化拡大したことにより、営業利益は同49.3%減の0.95億円、純利益は同80.3%減の0.16億円となった。

■即納できる在庫を拡大するなどの施策を進め商品アイテム数も充実

 だが、今期は、2019年7月の設立20周年に向け、ECサイトの多様化や取扱商品の拡充などを進め、業績回復を進める方針だ。同社には、子会社が18年3月末現在3社あり、株式を上場する(株)ストリームのほかに、やはりインターネット通販を行う100%子会社の(株)イーベスト、同じく100%子会社の(株)特価COM、そして、健康食品や化粧品の開発などを行う(株)エックスワンがある。このグループ4社体制を今期は大胆に再構成し、5月中にイーベスト、特価COMの2社をストリームに統合する大規模な組織改革を行う方針を先頃明らかにした。

 そして、ネット通販事業では、商品アイテム数の充実と、即納できる在庫を拡大するなどの在庫適正化を進め、さらに、外部サイトの販売促進イベントへの積極的な参加などを行う。また、ビューティヘルスケア事業では、化粧品・健康食品の開発・販売において、最先端バイオ技術を駆使した新商品の開発に取り組み、ネット通販、直営店、免税店での販路展開を積極的に進めるほか、新規事業として「ビューティーマスターカレッジ」の運営を本格化するとした。

 このような方針と施策により、19年1月期の業績見通しは、売り上げ確保の大きな要因となっている外部サイトの積極活用などにより、売上高は254億700万円(前期比13.3%の増加)、営業利益は2億700万円(同2.2倍)を想定し、純利益は1億2200万円(同7.3倍)、1株利益は4円50銭と大幅増益を見込む。

 このところの株価は、米国の金利上昇や、米中貿易摩擦による世界株安に押される形になり、120円台まで調整しているが、急伸する前の水準からは着実にもみ合いの下値を切り上げている。業績拡大の見込める銘柄は、時期と株価水準はさて置き、相場が静かになった局面で投資しておけば、いずれどこかで動き出すことが少なくない。4月に入ってからの相場展開は、まだ日柄調整が欲しいところだが、そろそろ要注目期に入ってきたといえそうだ。(HC)

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