ピックルスコーポレーションは調整一巡して1月高値に接近、19年2月期2桁営業増益予想

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 ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、惣菜分野への事業展開も加速している。18年2月期は大幅増益だった。19年2月期も2桁営業増益予想である。野菜価格の下落も追い風だろう。株価は調整一巡して1月高値に接近している。上値を試す展開が期待される。

■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上

 漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、さらに新製品の積極投入、成長市場である惣菜製品の強化などを推進している。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。

 16年3月フードレーベルホールディングス(FLH)を子会社化、16年12月FLHの子会社フードレーベルがFLHを吸収合併してフードレーベルの株式を直接所有とした。

 17年7月には地域密着型営業を推進するため、ピックルスコーポレーション関西の中国・四国および九州地区の事業を分割し、新設したピックルスコーポレーション西日本に継承した。17年12月には関西地区の生産体制を強化するため、手柄食品(兵庫県姫路市)を子会社化した。また九州地区で事業拡大するため佐賀工場を新設する。

 一方で17年8月には、連結子会社である青果市場運営の県西中央青果(茨城県古河市)の株式全部を譲渡した。

■18年2月期大幅増益、19年2月期も2桁営業増益予想

 18年2月期連結業績は、売上高が17年2月期比5.1%増の376億16百万円、営業利益が45.0%増の11億31百万円、経常利益が42.1%増の12億33百万円、純利益が59.0%増の8億72百万円だった。配当は期末に東証1部指定記念配当3円を実施して年間25円(期末一括)とした。17年2月期との比較でも3円増配である。配当性向は17.3%となる。

 天候影響による野菜価格高騰の影響で2月27日に各利益を減額修正したが、修正値を上回る大幅増益で着地した。売上総利益率は23.0%で1.2ポイント上昇、販管費比率は20.0%で0.3ポイント上昇した。

 19年2月期連結業績予想は、売上高が18年2月期比7.4%増の403億86百万円、営業利益が15.0%増の13億01百万円、経常利益が14.6%増の14億13百万円、純利益が3.5%減の8億41百万円としている。

 積極的な営業活動で増収基調に変化はなく、ピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場の稼働、子会社化した手柄食品も寄与する。売上総利益率は0.4ポイント上昇の23.4%、販管費比率は0.2ポイント上昇の20.2%の想定である。

 配当予想は18年2月期と同額の年間25円(期末一括)としている。予想配当性向は19.0%となる。野菜価格の下落も寄与して収益拡大が期待される。

 主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのリニューアルや惣菜製品などの製品開発、既存取引先への深耕や新規取引先の開拓、西日本エリアでの生産能力増強や営業強化、契約栽培拡大など原料野菜の安定調達、原材料購買方法の見直し、市場規模が大きい惣菜分野への事業展開加速などを推進している。中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は調整一巡して1月高値に接近

 株価は1800円近辺での調整が一巡して戻り歩調だ。4月13日には2000円まで上伸し、1月高値2185円に接近している。

 4月13日の終値1993円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS131円53銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1733円07銭で算出)は約1.1倍である。時価総額は約128億円である。

 週足チャートで見ると戻りを押さえていた26週移動平均線を突破した。調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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