【注目の決算】神鋼商事の18年3月期業績は純利益が10期ぶりに最高を更新

■今期は米通商政策や市況高の一服など前提に減益を見込むが足元は好調に推移

 神鋼商事<8075>(東1)は27日に2007年3月期の連結決算を発表した。鉄鋼、鉄鋼原料、非鉄金属などの各事業とも日本国内、米国、中国、東南アジア地域を中心に好調で、売上高は前期比20.8%増加して9294億6700万円となった。

 また、国際市況の上昇による在庫評価益や国際間トレードの活発化、前期と比べた円安などもあり、経常利益は同じく64.3%増加して86億2400万円となった。純利益は、前期に計上した海外事業の減損損失がなくなり、同83.5%増加して54億4900万円となった。純利益は08年3月期以来10期ぶりに最高を更新した。

 こうした好調な推移を受け、18年3月期の期末配当は、従来予定の1株当たり55円を10円増額して65円の見込みとした。年間では、中間配当45円と合わせて110円の見込みになる。前期実績は株式併合による変化を調整して年100円だった。

 今期・19年3月期の見通しは、米国の通商政策に不透明感があること、鉄鉱石や石炭などの国際需給の強まりが一服し市況が落ち着く可能性があること、神戸製鋼所<5406>(東1)・神戸製鉄所の上工程設備の休止と加古川製鉄所への集約が17年10月に完了したこと、などを要因に、連結売上高は17年3月期比較で1.0%減の9200億円の見込みとした。

 収益面では、売上高を微減と想定する上、鉄鋼原料などの市況上昇の一服を想定するため、スポット的な一過性の利益を見込まず、また、米国金利の上昇が続くにつれトレーディングに影響が出てくる可能性などを前提として、経常利益は同22.3%減の67億円の見込みとし、純利益は同19.3%減の44億円の見込みとした。予想1株利益は496円92銭の見込み。

 ただ、足元の情勢は、鉄鋼、鉄鋼原料などの取扱量が好調に推移し、非鉄金属も銅・アルミ製品が空調用配管や車載機器用電子部品材料、液晶・半導体製造用などに前期並みかこれを上回る推移を見せているとした。事業環境は、引き続き堅調な輸出環境や東京オリンピック・パラリンピックに向けた国内インフラ需要の盛り上がりなどにより、総じて好調な推移が予想されるとした。(HC)

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