ソフトクリエイトホールディングスは戻り歩調で2月高値に接近、19年3月期も増収増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東1)は、ECサイト構築ソフトや不正接続防止製品を主力としてソリューション事業を展開している。18年3月期は計画超の2桁増収増益だった。19年3月期も増収増益予想である。株価は戻り歩調で2月高値に接近している。

■ECサイト構築ソフトと不正接続防止製品で首位

 ECソリューション事業(ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売・保守から、ECサイト構築・運用支援、データセンターでのホスティングサービス提供、ECプロモーション提供までの総合サービス)を主力として、SI事業(自社グループ開発ソフトの販売、基幹系システムの受託開発)および物品販売事業(法人向けIT機器販売など)も展開している。

 ECサイト構築実績は中堅・大手企業向け中心に国内首位である。またECサイト構築実績の積み上げに伴う運用支援・保守などストック型収益が拡大基調である。SI事業ではセキュリティ製品「L2Blocker」が、不正接続防止ツール市場における累計導入社数で第1位を獲得している。

 18年3月期のセグメント別売上構成比はECソリューション事業46%、システムインテグレーション事業26%、物品販売事業28%だった。

 連結子会社はソフトクリエイト、ecbeing、およびエイトレッド<3969>である。17年11月にはソフトクリエイトが、監視システム開発やシステムコンサルティングなどを展開するY2Sと業務・資本提携し、Y2Sを持分法適用関連会社とした。また18年4月には、オウンドメディア支援事業やコンテンツマーケティング支援事業を展開するエートゥジェイを子会社化した。

■18年3月期は計画超の2桁増収増益、19年3月期も増収増益予想

 18年3月期の連結業績は、売上高が17年3月比13.6%増の155億96百万円、営業利益が10.5%増の17億07百万円、経常利益が10.7%増の17億93百万円、純利益が13.4%増の11億45百万円だった。計画超の2桁増収増益だった。

 ECソリューション事業でインターネット広告売上高、ECサイト構築パッケージソフト「ecbeing」の販売、保守・ホスティング売上高が拡大した。システムインテグレーション事業のワークフロー「X―point」や、独自サービス「SCクラウド」も拡大した。売上総利益率は31.8%で0.7ポイント上昇、販管費比率は19.9%で0.2ポイント上昇した。営業外では持分法投資利益が増加した。

 セグメント別には、ECソリューション事業の売上高が11.7%増の72億05百万円で経常利益が20.0%増の16億41百万円、システムインテグレーション事業の売上高が24.0%増の40億44百万円で経常利益が9.9%増の9億50百万円、そして物品販売事業の売上高が8.3%増の43億46百万円で経常利益が15.7%減の85百万円だった。

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月比16.7%増の182億03百万円、営業利益が2.2%増の17億44百万円、経常利益が0.6%増の18億04百万円、純利益が1.0%増の11億57百万円としている。

 積極的な人材採用に伴う人件費の増加、製品機能充実のための費用の増加、エートゥジェイを子会社化したことに伴うのれん償却(1億40百万円を想定)などで増益率が鈍化するが、2桁増収に伴う売上総利益の増加で吸収する見込みだ。なお、のれん償却を除くベースでは、営業利益は18.4%増益、経常利益は8.4%増益、純利益は12.1%増益の見込みとしている。

 18年3月期の配当は17年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)で、予想配当性向は23.2%となる。

■株主優待制度は3月末と9月末の年2回実施

 株主優待制度は毎年3月31日および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して実施している。優待内容は保有株数および保有期間に応じてオリジナルQUOカードを贈呈する。

■株価は戻り歩調で2月高値に接近

 4月2日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限10万株、取得価額総額の上限1億70百万円、取得期間18年4月2日~18年5月31日)について、4月30日時点の累計取得株式総数は4万900株となっている。

 株価は3月の直近安値圏1400円近辺から切り返して戻り歩調だ。5月9日には1834円まで上伸して2月高値1926円に接近している。

 5月11日の終値1720円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS86円35銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS637円52銭で算出)は約2.7倍である。時価総額は約237億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る