トーソーは売り一巡して反発期待、19年3月期減益予想だがやや保守的

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 トーソー<5956>(東2)はカーテンレールやインテリアブラインドの大手である。室内装飾関連事業を主力に介護用品事業も展開している。18年3月期は減益だったが、各利益とも計画を上回った。19年3月期も減益予想だが、やや保守的だろう。株価は19年3月期減益予想を嫌気する形で水準を切り下げたが、売り一巡して反発を期待したい。低PBRも見直し材料だろう。

■カーテンレール・インテリアブラインドの大手

 カーテンレールやインテリアブラインドの大手で、国内市場シェアはカーテンレールが約50%、ブラインドが約15%である。

 室内装飾関連事業(カーテンレール類、ブラインド類、間仕切類)を主力として、介護用品事業(ステッキなど)も展開している。18年3月期のセグメント別売上高構成比は室内装飾関連事業が98.5%、介護関連用品などのその他事業が1.5%である。収益面では、新設住宅着工件数やリニューアルなど住宅関連市場の影響を受け、第4四半期の構成比が高い特性がある。

 中期成長戦略では「窓辺の総合インテリアメーカー」として、高付加価値商品の拡販、インテリアトレンドに合わせた特長ある商品や省エネ・節電対応など新商品開発のスピードアップ、コスト競争力の強化、ホテルや商業施設など非住宅分野における需要の取り込み、大型物件の獲得や新興国の消費需要取り込みによる海外売上高の拡大、新規領域としての介護用品事業の拡大などの施策を強化している。

■18年3月期減益だが計画上回る、19年3月期減益予想だが保守的

 18年3月期連結業績は、売上高が17年3月期比0.0%減の224億71百万円、営業利益が21.0%減の7億95百万円、経常利益が19.3%減の8億06百万円、純利益が27.8%減の5億07百万円だった。

 展示会・イベント開催などの営業強化策を推進したが、住宅市場の低迷などで売上高が計画を下回り、原材料・物流コストの上昇も影響して減益だった。ただし原価低減活動などで各利益は計画を上回った。売上総利益率は41.0%で0.7ポイント低下、販管費比率は37.5%で0.2ポイント低下した。特別利益では厚生年金基金解散損失引当金戻入額と子会社清算益が一巡した。

 セグメント別に見ると、室内装飾関連事業は売上高が0.0%減の221億36百万円で営業利益が21.1%減の7億75百万円、その他は売上高が0.6%増の3億35百万円で営業利益が19.7%減の20百万円だった。

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比1.5%減の228億円、営業利益が9.5%減の7億20百万円、経常利益が9.5%減の7億30百万円、純利益が7.4%減の4億70百万円としている。原材料・物流コストの上昇などで減益予想だが、やや保守的だろう。

 18年3月期の配当は17年3月期比2円減配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)とした。19年3月期の配当予想は18年3月期と同額の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)で、予想配当性向は21.9%となる。

■株価は売り一巡感、低PBRも見直し

 株価は19年3月期減益予想を嫌気する形で水準を切り下げた。ただし580円近辺で売り一巡感を強めている。

 5月16日の終値584円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS45円72銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1133円26銭で算出)は約0.5倍である。時価総額は約64億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。低PBRも見直して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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