【業績で見る株価】クリナップは続伸、4月就任の竹内新社長のもとで大胆な回復計画を開始

■ハイクラスのイタリア「バルクチーネ」などで中・高級品市場も拡大めざす

 クリナップ<7955>(東1)は21日も出直り基調を続け、日々小幅だが10時30分を過ぎては878円(3円高)前後で推移。5月8日に発表した2018年3月期の連結業績は営業利益が8割近い減少となったが、今期・19年3月期を初年度とする新・3ヵ年中期計画(21年3月期まで)ではV字型の回復を計画。4月には新社長・竹内宏氏が就任。新展開への期待は強いようだ。

 前3月期(2018年3月期)の連結業績は、原材料高や輸送費のアップ、リフォーム市場の盛り上がり不足などにより、売上高が前期比5.5%減となり、営業利益は同79.9%減となった。売上高に比べて利益の減少率が極端に大きくなった要因は、主に売上高と営業利益の実額の差にあり、売上高1100億円規模に対して営業利益は20億円規模(17年3月期)のため、売上高の減少率が数%でも営業利益は大きくダウンする形になってしまう。

 しかし、今期・19年3月期は、これを初年度とする新・3ヵ年中期計画(~21年3月期)を策定し、中・高級品市場でのシェアアップ、第2の柱となる事業の構築、M&Aと業務提携、さらに低収益構造からの転換などを掲げた。ハイクラスキッチンの分野にも本格的に取り組む方針で、17年12月には超高級品として知られるイタリア「Valcucine(バルクチーネ)」ブランドのショールームを開設した。

 初年度に当たる今期の連結業績見通しは、売上高が前期比3.4%増の1110億円、営業利益が同2.5倍の10億円、純利益は同8倍の4億円、1株利益は10円93銭。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る