平山ホールディングスは戻り歩調、18年6月期大幅増益予想で19年6月期も収益拡大期待

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 平山ホールディングス<7781>(JQ)は「設備と敷地を持たない製造業」を標榜し、インソーシング(製造請負)・派遣事業を主力としている。18年6月期大幅営業増益予想である。19年6月期も新規案件受注やM&A効果で収益拡大が期待される。株価は急反発して戻り歩調だ。上値を試す展開が期待される。なお8月14日に18年6月期決算発表を予定している。

■インソーシング(製造請負)・派遣事業が主力

 「設備と敷地を持たない製造業」を標榜し、インソーシング(製造請負)・派遣事業を主力として、技術者派遣事業、海外事業、その他(現場改善コンサルティング、海外スタディツー)も展開している。当社に所属する現場改善コンサルタントと連携したサービスを提供し、顧客企業の製造現場における生産性向上、コスト削減・ものづくり力強化に繋げている。

 多種多様な業種・工程での実績を持ち、業界を超えた製造技術・ノウハウを蓄積していることも特徴だ。主要取引先はテルモグループ、LIXILグループ、TOPPANグループ、TOTOグループ、トヨタグループ、リコーグループ、三菱グループなどである。大手優良企業グループと強固な取引関係を構築し、新規顧客開拓も推進している。海外はベトナムとタイにおいて、日本国内のエンジニア不足に対応した外国人技術者の採用、東南アジア諸国の日系企業との取引拡大を推進している。

 さらにM&A・アライアンスの積極活用による業容拡大、グループ再編による競争力強化や管理コスト削減を推進している。17年12月日立システムズと協業して現場改善支援サービスの販売開始、18年1月Edgecrossコンソーシアムに入会、18年2月外国人技術者の育成でミャンマー・マンダレー工科大学と提携、18年5月中国の健峰との合弁会社を設立、18年7月FUNtoFUNおよびその持株会社NCI1を子会社化(18年10月1日付でNCI1がFUNtoFUNを吸収合併してFUNtoFUNに商号変更予定)した。

■長期的目標は売上高営業利益率8%

 経営目標としては20年6月期売上高200億円を掲げている。売上高営業利益率は中期的に5%、長期的に8%を目指す方針だ。既存取引先の事業所拡大・安定化、既存製造派遣取引先のインソーシング(製造請負)化、インソーシング案件の新規取引先開拓、海外展開の加速などを推進する。利益配分については配当性向25%を基本としている。

■18年6月期大幅増益予想、19年6月期も収益拡大期待

 18年6月期の連結業績予想(5月15日に増額修正)は、売上高が17年6月期比14.2%増の133億円で、営業利益が4.4倍の1億70百万円、経常利益が2.1倍の1億80百万円、純利益が83.7%増の2億70百万円としている。配当予想(5月15日に増額修正)は18円増配の年間40円(期末一括)で、予想配当性向は25.4%となる。

 主力のインソーシング・派遣事業において、自動車・輸送機器関連、住設関連、食品関連分野を中心に、需要が高水準に推移する。ローコストオペレーションの推進、経年の社会保険料等の増加に伴う固定費上昇分の受注単価への転嫁も寄与して、先行投資負担を吸収する。純利益は特別利益に消費税等簡易課税差額収入を計上することも寄与する。

 そして19年6月期も収益拡大が期待される。大手電子部品メーカー、大手自動車部品メーカー等からの新規受注案件に加えて、M&A効果(大手コンビニ関連の食品製造派遣や、大手流通業の都市型ミニスーパーの店舗運営請負を展開するFUNtoFUNを新規連結)も寄与する。売上高は20年6月期目標値200億円を前倒しで達成する見込みだ。M&Aに伴うのれん償却が発生するが、増収効果で吸収することが期待される。なお特別利益には消費税等簡易課税差額収入3億90百万円を計上する予定(7月4日公表)だ。

■株価は戻り歩調で上値試す

 株価は3月の上場来高値4105円から反落して水準を切り下げたが、7月5日の直近安値2073円から急反発している。調整一巡して戻り歩調だ。

 7月27日の終値2756円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS157円72銭で算出)は約17倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は約1.5%、そして前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS1232円67銭で算出)は約2.2倍である。時価総額は約49億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から急反発し、26週移動平均線突破の動きを強めている。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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