【株式評論家の視点】森六ホールディングスはEV・PHV促進に向けた軽量化で注目、第1四半期業績は順調

株式評論家の視点

 森六ホールディングス<4249>(東1)は、昨年12月20日に東京証券取引所市場第一部に上場。同社グループの創業は、寛文3年(1663年)に天然藍及び肥料の販売を開始したことに始まり、350年以上に亘って展開している化学品専門商社であるケミカル事業と、戦後二輪車外装部品の樹脂化を成功したことで築き上げた四輪車プラスチック内外装部品の製造・販売を行う樹脂加工製品事業の2つのセグメントで構成されている。

 今2019年3月期第1四半期は、樹脂加工製品事業では、アジア地域で新車販売が堅調に推移しているほか、国内では前年同四半期比で回復傾向にあり、自動車用樹脂成形部品の受注・販売が順調に拡大している。一方、米国では新機種の量産等にかかる費用が増加したものの、グループを挙げて生産効率・品質向上に取り組み、現在は改善傾向にある。また、新製品領域の開発や、EV・PHV促進に向けた軽量化ニーズへの対応等、競争力向上のために取り組んでいる。ケミカル事業では、中国における日系自動車メーカーの販売好調を受け、自動車向け既存顧客からの受注増と新規取引の拡大に注力。また、ASEAN地域においては、タイで新型車の投入や経済の回復等により自動車販売台数が堅調であったことから、樹脂等自動車原材料が伸長している。

 今19年3月期第1四半期業績実績は、売上高480億2200万円、営業利益28億4500万円、経常利益31億4100万円、純利益22億7700万円に着地。営業利益は年計画に対する進捗率が32.7%と順調に推移している。

 今19年3月期業績予想は、売上高180億円(前期比1.2%減)、営業利益87億円(同7.6%減)、経常利益83億円(同10.3%減)、純利益60億円(同20.0%増)と連続最高益更新を見込む。配当は四半期毎に実施し、年間6.80円(同11.8%減)を見込む。年間配当予想は、90円(第2四半期末45円、期末45円)継続を予定している。

 株価は、2017年12月27日高値3450円から2月14日安値2775円、4月9日に年初来安値2770円、7月5日安値2813円と売り直されて底値を確認。その後、モミ合っている。EV・PHV促進に向けた軽量化で注目されるほか、第1四半期業績は順調で通期業績予想の上振れが視野に入る。今期予想PER8倍台・PBR0.75倍と割安感があり、配当利回り3.0%と利回り妙味もソコソコある。第2四半期配当権利取り狙いで、ここから底値圏に接近する場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る