夢真ホールディングスは下値切り上げ、18年9月期大幅増益予想で19年9月期も収益拡大期待

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 夢真ホールディングス<2362>(JQ)は、建設技術者派遣事業や製造・IT業界向けエンジニア派遣事業などを展開している。18年9月期は増額修正して大幅増益予想である。需要が高水準に推移して19年9月期も収益拡大が期待される。株価はモミ合い展開だが徐々に下値を切り上げている。上放れを期待したい。

■建設技術者派遣事業を主力にエンジニア派遣事業も展開

 建設技術者派遣事業を主力として、連結子会社夢テクノロジー<2458>の製造・IT業界向けエンジニア派遣事業や、その他事業(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成など)も展開している。グループ合計の稼働技術者数は17年12月に6000人を突破した。

 経営リソースを成長セグメントに集中し、管理機能や人的資源の有効活用を図るためグループ再編も進めている。17年12月には連結子会社Keepdataの株式を譲渡した。一方で夢真テクノロジーがエンジニア派遣事業のクルンテープを子会社化、18年8月夢テクノロジーが夢エデュケーションを吸収合併した。18年10月(予定)には子会社の夢ソリューションズを吸収合併、フィリピンのP4U社を子会社化する。

■18年9月期は増額して大幅増益予想、19年9月期も収益拡大期待

 18年9月期連結業績予想(9月7日に利益を増額修正)は、売上高が17年9月期比27.8%増の390億円、営業利益が2.3倍の54億円、経常利益が2.1倍の52億円、純利益が2.6倍の37億円としている。配当予想は17年9月期と同額の年間35円(第2四半期末15円、期末20円)で、予想配当性向は70.5%となる。

 エンジニア派遣事業の連結子会社夢テクノロジーが19年9月期に向けた採用費積み増しで利益予想を減額修正(8月10日)したが、主力の建設技術者派遣事業において技術者採用および定着率が想定を上回り、稼働率および派遣単価の改善も寄与して売上総利益率が改善する。その他事業において事業再編が想定より進捗し、損失が縮小することも寄与する。

 なお建設技術者派遣事業の月次速報によると、18年8月は売上高が26%増収、営業利益が58%増益だった。また技術者採用は、年間採用見込み2700人に対して17年10月~18年8月累計2545人、進捗率94.3%と順調である。

 建設技術者派遣、エンジニア派遣とも需要が高水準に推移している。19年9月期も収益拡大が期待される。

■21年9月期営業利益100億円目標

 9月7日発表の新中期経営計画(19年9月期~21年9月期)では、21年9月期の売上高762億円、営業利益100億円、純利益68億円を目標に掲げている。セグメント別には、建設技術者派遣の売上高580億円、営業利益80億円、期末技術者数7800人、エンジニア派遣の売上高250億円、営業利益18億円、期末技術者数5500人としている。

 なお株主還元策は18年9月期以降、1株当たり配当額35円以上を維持する。ROEは30%以上を目指す。さらに東証1部への市場変更を目指すとしている。

■株主優待制度は9月末の株主対象、18年9月末から導入

 株主優待制度は毎年9月30日時点の3単元(300株)以上保有株主を対象として、18年9月末から導入した。保有株式数に応じて贈呈されるポイントを、特設サイト内の商品・サービスと交換する。ポイントは次年度に繰り越すことができ、最大2年間有効である。

■株価は下値切り上げ

 株価は1100円台でモミ合う展開だが、徐々に下値を切り上げている。9月27日の終値は1147円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS49円62銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は約3.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS160円67銭で算出)は約7.1倍、時価総額は約855億円である。

 週足チャートで見ると徐々に下値を切り上げて26週移動平均線突破の動きを強めている。上放れを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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