【小倉正男の経済羅針盤】そらぞらしさが漂う統一地方選挙

■各党スローガンのしらじらしさ

小倉正男の経済羅針盤『地方こそ、成長の主役。』 『生活起点 地域起点』 『人が生きる、地方創生。』 『身を切る改革、身のある改革。』――。

なんともしらじらしい言葉が並んでいる。あるいは、そらぞらしいというべきか。これらは統一地方選挙の各党のスローガンである。

それぞれ自民党、民主党、公明党、維新の党のスローガンだ。
別に本気で政策を考えたわけではない――。広告代理店大手あたりに頼んでつくったのか。そんな感じが伝わってくるフレーズである。

スペースの関係上、「生活の党と山本太郎となかまたち」などのスローガンは割愛させてもらった。

いずれにせよ劇団(政党)がいい加減な演目でお茶を濁している。役者(知事・地方議員の各候補)も政策が無策――おおかた演技は期待できない。

これではお客(投票者)が劇場に足を運ばない。

■投票率50%以下で、「税金を食べる人々」を決める・・・

おそらくというか、確実に投票率は50%に届かないといわれている。
それでも知事・地方議員が決まっていく。これらはお役人や国会議員と同じで「タックスイーター」であることはいうまでもない。

生活者が納めた税金で議員の歳費は賄われている。これらはもっぱら「税金を食べる人々」である。他人のカネ、税金というのは、使い方が鷹揚になるものである。

統一地方選はまったく盛り上りがみられない。それでも選挙は選挙――。粛々と「税金を食べる人々」を決める儀式が進行していくことになる。

生活者すなわち「税金を払っている人々」は、もう少し怒ってよい。「ちょっとはましな政策を出せ」「ほんの少しでいいから豊かな暮らしを実現してくれ」くらいの要求はしてよいのではないか。

■「税金を食べる人々」を許している「税金を払っている人々」

選挙が盛り上がりを欠いているのは、結果としてアベノミクスをはじめ現状に一定の評価をしていることにつながる。選挙に足が向かず、投票率が上がらない――。この状況は与党の自民党、公明党に有利に働くことになる。
相対的には評価しても「満足している」わけではない。そうした人たちも少なくないはずだ。

ところで、野党には「風」はほとんど吹いていない。
民主党は前回政権時の自業自得だが、信頼を喪失している。気概もみられない。経済成長の政策が欠如している。「分配」の要求にとどまっている。

維新の党も選挙になると、「規制緩和」などの言葉を使うが、弁舌ばかりで信用されていない面がある。本気でそれをやる気概があるのかいな、ということになる。

結局、「税金を食べる人々」が政策に本気で取り組んでいない。「税金を払っている人々」がそれをまた許している。いわば、相互に緊張した関係がない。

この麗しいとはいえないシンクロ関係の相関が、日本、あるいは日本経済をいまひとつ面白みのない状況に落ち込ませているのではないか・・・。

(経済ジャーナリスト。『M&A資本主義』『トヨタとイトーヨーカ堂』(東洋経済新報社刊)、『日本の時短革命』『倒れない経営』『第四次産業の衝撃』(PHP研究所)など著書多数)

 

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