【木村隆のお宝銘柄】シマノは業績が上昇気流に乗る、好業績買いが再点火

木村隆のお宝銘柄

シマノ<7309>(東1)の上昇相場が再点火の兆しを強めている。前12月期の予想を上回る好業績、今12月期の連続大幅増益予想を得て買い人気に拍車がかかってきた。好決算を評価して、証券会社のレーティング引き上げの動きも出てきた。

同社は自転車部品事業が主力。変速機などの駆動用部品、ブレーキなどの制動用部品およびその他の部品の製造・販売を行う業界のトップ企業。特に海外高級自転車に強みをもつ。製品の操作性や品質に対する評価は高く、ロードレース用やマウンテンバイク用などの高付加価値品から実用車まで、幅広い車種を手掛けている。

また、円建て取引を活用するなど、為替変動の影響を受けにくい事業モデルを築いている。釣具事業では、自転車部品の製造で培った加工技術などを生かし、リール、ロッド、フィッシングギアの製造・販売も手掛けており、釣具メーカーとしても大手の一角を占めている。

円安による割安感の追い風を受け、受注拡大や新製品の売れ行きも好調で、前期は大幅増益となった。主力の欧州は天候に恵まれ、1年を通じて販売が好調。北米も小売店への出荷台数が前期比で増加し、堅調に推移。また、中国ではスポーツタイプ自転車は引き続き伸長しており、新興国市場も順調に拡大した。

自転車部品事業では、欧州市場は今期に入っても完成車在庫の補充や春需要に向けて受注は引き続き好調を維持。また、中国では、普及価格帯クラスの需要が伸びるなど、裾野の広がりをみせている。一方、釣具事業は、海外市場ではアジア市場の順調な成長がみられ、欧州や北米も前年を上回る見通し。国内市場も新製品の投入等により前期比プラス成長を見込む。

健康志向や環境保全意識の高まりといった追い風の中、自転車株の人気がぐんとアップしている。(株式評論家)

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