アルコニックスは東北化工株式会社の全株式を取得することを発表

株式市場 銘柄

 アルコニックス<3036>(東1)は27日、東北化工株式会社の全株式を取得することを発表した。

 子会社化するために、アルコニックスは100%出資の中間持ち株会社を設立し、中間持ち株会社が東北化工の株式取得を行う。

■天然素材から、「安全に止める技術」を生み出す

 今回、株式を取得する東北化工は、栃木県那須烏山市に生産拠点を構える摩擦調整材、電波吸収体、機能性インク等を製造するメーカー。主要製品である摩擦調整材、カシューパーティクルは、食用として知られるカシューナッツの殻から抽出する殻液を主原料とした樹脂を粉末状にしたもの。この天然素材から、「安全に止める技術」を生み出すというビジネスモデルを展開している。この天然素材は、摩擦安定性、耐摩耗性の向上等において、二輪車、四輪車のブレーキ・クラッチ、高性能自転車、鉄道用制輪子、各種産業機械の摩擦材に不可欠な材料であり、独自ノウハウと技術開発力を梃子に、ハイパフォーマンスの摩擦調整材を国内のほぼすべてのブレーキ摩擦材メーカーに納入している。

■ブレーキ関連市場へ参入

 アルコニックスは、今回の同社株式取得により、ブレーキ関連市場への参入を果たす他、アルコニックスの海外ネットワークを利用した新たな展開が可能となる。カシューナッツは適度な降雨量のある熱帯地域ないし亜熱帯地域で栽培されていることから、同社は2000年代前半にベトナムに主力原料生産およびミドルパフォーマンス製品生産の拠点を構えている。今後四輪車生産およびその部品生産の伸長が期待される東南アジア・南アジアへ、同社のベトナムで生産されている一部製品をアルコニックスの海外拠点の機能を利用して輸出するというシナジーも見込まれる。この結果、製造業と海外事業の更なる展開により新たな企業グループを目指すアルコニックスグループの、連結ベースでの企業価値向上に貢献するものと思われる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る