【配当特集】インフォコムは第3四半期営業利益2ケタ増益、電子コミック配信サービスがけん引

配当特集

【利益還元に積極的な「魅力ある企業」(配当)】

インフォコム<4348>(東1)は、昨年11月28日に東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)から市場第一部へ市場変更した。同社は、医療・企業・公共機関向けにシステム構築やパッケージ製品を提供するITサービスと、一般消費者向けに電子コミック配信サービス等を提供するネットビジネスを展開。新規事業創出を見据えた取り組み、AI/IoTをはじめとする新規技術の研究を実施している。

 ITサービスでは、医薬医療機関向けの自社開発製品・サービスをはじめとして、IoTを活用した介護領域向けITソリューションや、大手企業などから受注を受けて情報システムを受託開発・運用するシステムインテグレーションと、企業や公共機関向けの自社開発パッケージおよびクラウドサービスの販売・運用を行っている。

 ネットビジネスでは、国内最大級の電子コミック配信サービス「めちゃコミック」をはじめとした、デジタルコンテンツの配信と食品のeコマースサイトを運営している。

 新規事業創出では、ベンチャー投資、M&A、海外事業等を通じた新規事業創出の取り組みのほか、事業展開へ向けた新規技術の探索・評価・検証を実施している。

 同社は、中期経営計画(2017年4月~20年3月)の基本方針である「成長の追求」と「成長を支える経営基盤の継続的強化」のもと、電子コミックとヘルスケアを重点事業として、M&Aの積極的推進に加え、AIやIoTを活用したビジネス展開等に取り組んでいるが、1月31日前場引け後に今19年3月期第3四半期決算を発表した。

 今19年3月期第3四半期業績実績は、売上高355億0900万円(前年同期比13.0%増)、営業利益38億0400万円(同11.8%増)、経常利益38億4900万円(同4.0%増)、純利益27億1500万円(同19.0%減)に着地。ITサービスでは、病院向け製品を中心にヘルスケア事業が順調に推移した一方で、大型SI案件の採算が悪化したが、ネットビジネスで、電子コミック配信サービスが好調に推移し、業績をけん引した。

 今19年3月期業績予想は、電子コミック配信サービスの好調を踏まえ、売上高は従来予想の510億円から売上高515億円(前期比12.5%増)に増額、営業利益67億円(同14.9%増)、経常利益67億円(同12.0%増)、純利益46億円(同0.9%減)を据え置いている。年間配当予想は、第2四半期末10円、期末17円(期初予想15円、市場変更の記念配当2円)の27円を予定している。

 ※3月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割する予定で期末配当金は、株式分割を考慮した金額。株式分割を考慮しない場合の1株当たり期末予想配当金は34円となり、1株当たり年間配当金は44円となる予定。配当性向は、前期実績22.4%、期初予想24.3%、修正後予想26.2%となっている。

 また、株主優待として、毎年9月30日現在の同社株主名簿に記載された同社株式を1単元 (100株)以上保有している株主を対象に同社株式の保有株数と保有年数に応じて株主優待ポイントを贈呈している。

 株価は、昨年12月4日につけた昨年来の高値5070円から同月25日安値3495円、1月31日3630円と下げて出直っている。通期営業利益は連続最高益更新と好調が続く見込み。なお、電子コミック配信サービスは、第3四半期が第2四半期に比べ落ち込む傾向があったが、今期は上向いており、通期利益予想を増額する可能性がある。上値抵抗線の13週移動平均線を突破出来るか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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