【株式評論家の視点】ニーズウェルは第1四半期売上高2ケタ成長、早期に東証一部上場を目指す

株式評論家の視点

 ニーズウェル<3992>(東2)は、2018年6月にJASADAQ(スタンダード)から東証二部へ市場変更。同社は、金融系システム開発を中心にIT基盤(基盤構築)、組込(組込系開発)、ソリューション(ソリューションビジネス)の4つのサービスを展開している。これらの各サービスが有機的に結びつき、ITトータルサービスを提供している。
 同社は成長戦略として「事業基盤の確立」、「ソリューションビジネスの拡大」、「エン ドユーザー取引の拡大」を掲げ、推進している。前期に苦戦した技術者確保では、パートナー企業との協力・協業体制強化を進めており、開発要員が増加しているほか、新卒採用に力を入れており、2019年4月入社予定の新卒者が増加している。事業のサービスラインである「業務系システム開発」では、前期に引き続き、同社の強みである金融系の業務知識の蓄積及び上流工程から参画可能な高い業務知識を有する技術者を育成し、金融系分野の拡大を進めている。

 2月13日大引け後に発表した今19年9月期第1四半期業績実績は、売上高13億4100万円(前年同期比10.2%増)、営業利益1億1000万円(同8.8%減)、経常利益1億1000万円(同8.6%減)、純利益7 600万円(同7.9%減)に着地。売上高は、前期苦戦した技術者確保の改善による売上増加、新たな金融系案件の獲得と既存顧客との取引拡大、ソリューションビジネスが軌道に乗り、大幅に拡大し、全てのサービスラインにおいて前年同期比増加、2ケタ成長を達成した。今後の成長のためのソリューションビジネスの拡大に向けたソリューション製品の開発投資や営業力強化に伴う人員増強と人材確保に向けた採用募集等の先行投資を実施したため、増収・減益となったものの、経常利益率8.3%を確保した。

 今19年3月期業績予想は、売上高57億円(前期比10.9%増)、営業利益4億9800万円(同4.7%増)、経常利益4億8500万円(同3.8%増)、純利益3億3 200万円(同2.1%増)と連続最高益を更新する見通し。配当性向予想は31.6%で、年間配当予想は、期末一括12.5円を予定している。※2019年1月1日付で1株につき2株の割合で株式分割を実施済み。

 株価は、昨年5月7日につけた分割前の高値905円から本年1月4日につけた昨年来の安値455円まで5割の調整を挟んで同28日高値613円と買われた後、2月14日安値502円と売り直されてモミ合っている。5G時代に向けた情報セキュリティ対策や「働き方改革」や「人手不足」によるソリューションビジネスは拡大しており、中長期的な成長が見込まれる。また、早期に東証一部上場を目指すことへの期待感もある。26週移動平均線を上値にモミ合ってるが、 今期予想PER13倍台と割安感があり、日柄調整が進めば、十分上値を試すことは想定される。500円前後まで押す場面があれば、買いを考えたい。(株式評論家・信濃川)

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