【株式評論家の視点】東京センチュリーは第三次中経達成に向け着実に業績伸ばす、押し目買い優位の展開へ

株式評論家の視点

 東京センチュリー<8439>(東1)は、2016年10月1日に「東京センチュリーリース株式会社」から「東京センチュリー株式会社」へと社名を変更。これまで培ってきたリース・ファイナンス機能の更なる進化・高度化を推進していくとともに、事業自体をも手掛けることができる規制から自由な企業であることを活かし、高い専門性を発揮して、金融・サービス企業として幅広い事業領域に挑戦していく方針のもと、「ノンバンク事業会社」として、心機一転スタートしている。

 昨年5月に明らかにした、第三次中期経営計画では、「資産効率を重視した『高収益ビジネスモデル』への変革を推進し、更なる持続的成長の礎を築く」ことを基本方針として掲げ、永続的な成長に向けた礎を築くための大きな転換点と捉え、量的拡大を指向するビジネスモデルから採算性の高い資産を積み上げる「高収益ビジネスモデル」への変革を目指している。経営目標でも、資産効率重視の観点から、連結営業資産残高については目標とせず、19年3月期経常利益800億円以上、ROA(営業資産経常利益率)2.3%以上を安定的に計上できる体制の構築を目指している。また、財務レバレッジに関しては、自己資本比率11.0%の確保に努め、財務基盤の更なる強化も図っている。

 今18年3月期第1四半期業績実績は、売上高2388億0700万円(前年同期比7.7%増)、営業利益182億7500万円(同5.5%増)、経常利益190億9100万円(同7.1%増)、純利益109億2100万円(同8.4%増)に着地。主に賃貸・割賦事業でCSI Leasing,Inc.の業績が寄与。営業利益は年計画に対する進捗率が24.7%とほぼ計画通りに進捗している。

 今18年3月期業績予想は、売上高9800億円(前期比0.4%増)、営業利益740億円(同2.8%増)、経常利益760億円(同3.4%増)、純利益450億円(同3.1%増)を見込む。年間配当予想は、105円(第2四半期末52円、期末53円)の5円増配を予定している。

 株価は、4月17日につけた年初来の安値3635円から8月7日に上場来高値4935円と上昇。その後、高値圏でモミ合っていたが、9月21日に4990円と買われ上奥村場来高値を更新している。第三次中期経営計画の達成に向け着実に業績を伸ばし、連続最高益更新見通しで、今期予想PER11倍台と割安感がある。配当利回り2.1%と利回り妙味もソコソコある。75日移動平均線がサポート、逆日歩のつく信用好需給が下支えし、押し目買い優位に上値追いの展開が続きそうだ。(株式評論家・信濃川)

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