【新規上場(IPO)銘柄】ヴィッツは4月9日に上場、コネクテッドカーセキュリティシステムは高い成長へ

株式市場 IPO 鐘

 ヴィッツ<4440>(東マ)は、4月8日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社グループは、設立以来、「半歩先の技術で人々の生活を豊かにする」を企業理念として掲げ、「組込システム事業」、「システムズエンジニアリング事業」、「機能安全開発事業」を行っている。同社グループは、同社及び連結子会社2社(株式会社アトリエ、株式会社ヴィッツ沖縄)から構成されている。


 組込システム事業では、制御ソフトウェアエ ンジニアリングサービス。RTOS(リアルタイムオペレーティングシステム)開発、販売。自動運転技術研究と技術支援サービス。組込セキュリティサービス。組込セキュリティ教育を行っている。

 システムズエンジニアリング事業では、車載制御シミュレーション開発。車載制御モデル開発。自動運転向け仮想環境シミュレーションの開発、販売。人工知能の安全活用技術の研究を行っている。

 機能安全開発事業では、機能安全コンサルティング。機能安全開発プロセス開発支援。機能安全コンテンツ販売。ソフトウェア開発支援ツール輸入、販売。機能安全教育を行っている。

 そのほか、ソフトウェア開発に関する新技術及び規格調査や組込ソフトウェア評価・開発支援も行っている。

 今2019年8月期第2四半期業績実績は、 売上高11億6200万円、営業利益1億1100万円、経常利益1億1000万円、純利益7200万円に着地。第1四半期に比べてシステムズエンジニアリング事業のモデルベース開発、仮想環境シミュレータへの需要が伸びている。

 今19年8月期業績予想は、売上高25億3900万円(前期比6.9%増)、営業利益2億8900万円(同30.6%増)、経常利益2億6800万円(同19.8%増)、純利益1億8900万円(同40.1%増)を見込む。前18年8月期第3四半期から、組込システム事業で、一部不採算プロジェクトが発生したが、今19年8月期第2四半期にて不採算プロジェクトは終結。主たる事業分野の需要は旺盛な状況で、上半期進捗率は計画を下回ったが、 組込みセキュリティ、AUTOSAR開発支援、モデルベース開発、仮想環境シミュレータなどの活発な要求があり、これらへの対応により通期計画を達成する見込み。年間配当予想は、期末一括6円を予定している。

 株価は、上場2日目の4月9日に公開価格2650円の2.3倍相当の6100円で初値をつけ、同10日に上場来高値7520円と上昇。15日に上場来安値5310円と下げた後、26日安値5610円と売り直され目先の換金売りは一巡した感はある。インターネットへの常時接続機能を具備した自動車を狙ったハッキングの多発を背景に、2020年には1兆円、25年には2兆円規模に膨らむと予測されており、同社の「コネクテッドカーセキュリティシステム」は、高い成長が 見込まれるほか、人工知能安全活用研究の事業化に対する期待感もある。ここから押し目買い優位に上値を伸ばすか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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