テクマトリックスは19年3月期の最高業績を受け中期計画を上方修正

■初年度が好調で2年目に入る今期の見通しを売上高は3%アップ

 テクマトリックス<3762>(東1)では、中期経営計画「GO BEYOND 3.0」(2019年3月期~2021年3月期)の初年度にあたる2019年3月期の連結業績が売上高、各利益とも連続最高を更新したことを受け、2年目の数値目標を上方修正した。前の中期計画から注力する事業戦略である「クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進」「セキュリティ・セイフティ(安全と安心)の追求」などが大きく進展。2年目に当たる20年3月期の連結売上高の見通しは当初の目標を3.1%増額して268億円の見込み(前期実績比5.4%の増加)とした。「オーガニック(有機的)で戦略的な成長」(由利社長)を図る。

■クラウド関連事業など拡大し今期も戦略的な拡大を推進

 19年3月期は、情報基盤事業の次世代ファイアウオール・ネットセキュリティシステムやデジタルストレージなどが好調に推移したほか、アプリケーション・サービス事業では医療分野やCRM分野、ソフトウエア品質保証分野などが堅調に推移した。連結売上高は前期比8.1%増加して254.18億円となった。営業利益は、アプリケーション・サービスの品質保証分野で第4四半期に大口案件が入ったこともあり、同27.1%増加して24.18億円となった。連結子会社NOBORI(のぼり)が行う医療情報クラウドサービス「NOBORI」も堅調に拡大。親会社に帰属する当期純利益は同12.4%増加して14.70億円となった。売上高、各利益とも連続最高を更新した。

■新概念「ゼロトラストモデル」の次世代セキュアアクセスソリューションも

 今期は、独自開発した数百パターンもの脅威シナリオによって相関分析を行う統合監視セキュリティサービス「TRINITY」(トリニティ)や、連結子会社NOBORI(のぼり)によるスマートフォンでの個人向け(患者向け)PHR(個人医療情報)提供サービスなどが一段と拡大する見通し。

 また、「ゼロトラストモデル」と呼ばれ、利用者や利用されているデバイス、ネットワークのすべてを信用しない性悪説に立った新たな概念でアプローチする米国シクステラ社(CyxteraTechnologiesInc)の次世代セキュアアクセスソリューション製品「AppGateSDP」(日本初上陸)や、19年2月に開始した米サイランス社(Cylance Inc.米国カリフォルニア州)が提供する人工知能(AI)の技術を駆使して、マルウェアの実行を未然に防ぐ次世代エンドポイントセキュリティ製品「CylancePROTECT」を対象としたセキュリティ運用監視サービスなどが寄与してくる見通しだ。

■売上高も連続最高を更新し配当(中間配なし)は2円増の27円を予定

 これらの主力サービスや新サービスによって「オーガニック(有機的)な成長」(由利社長)を図り、中期計画2年目に当たる今期・20年3月期の連結売上高の見通しは、当初の目標を3.1%増額して268億円の見込み(19年3月期比5.4%の増加)とした。営業利益は同じく2.5%増額して24.6億円の見通し(同1.7%の増加)とした。親会社株主に帰属する純利益は16.0億円(同8.8%の増加)、予想1株利益は83円89銭。また、配当(中間配なし)は2円増の27円を予定する。(HC)

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