【アナリスト水田雅展の銘柄分析】三洋貿易は戻り高値圏で堅調、15年9月期増額の可能性を評価して上値試す

銘柄分析

 三洋貿易<3176>(東1)は自動車関連向けのゴム・化学関連商品などを扱う専門商社である。株価は戻り高値圏1400円近辺で堅調に推移している。指標面に割安感があり、15年9月期業績増額の可能性を評価して3月の戻り高値1473円、そして14年8月高値1579円を試す展開だろう。

 ゴム関連商品、化学品関連商品、産業資材関連商品、科学機器関連商品、機械・資材関連商品の5分野に事業展開する専門商社である。メーカー並みの技術サポート力に加えて、財務面で実質無借金経営であることも特徴だ。海外は米国、メキシコ、タイ、中国(上海、香港)、インド、ベトナム、インドネシアに展開している。

 主力の自動車関連向けは、各種合成ゴム・添加剤、タイヤ用特殊クレー、防振ゴム・ホース原料、自動車用シート部品(レザーシート、シートヒーター、ランバーサポート、シートセンサーなど)といった高付加価値品を中心に展開している。

 飼料・エネルギー・リサイクル関連では飼料や固定燃料などを製造するペレットミルが高シェアだ。国内子会社のコスモス商事は地熱・海洋資源開発関連分野で掘削用機材の輸入販売・レンタルを手掛けている。

 今期(15年9月期)の連結業績見通し(11月6日公表)は売上高が前期比5.8%増の620億円、営業利益が同3.8%増の33億円、経常利益が同2.4%増の36億円、純利益が同5.9%増の21億円で、配当予想が配当性向下限の目途を25%として同3円増配の年間37円(第2四半期末18円、期末19円)としている。

 セグメント別売上高の計画は、ゴム・化学品が同4.5%増の252億円、機械資材が同7.4%増の169億円、海外現地法人が同8.3%増の136億50百万円、国内子会社が同1.7%増の60億50百万円で、その他が同14.5%減の2億円だ。

 今期は新規案件の基盤固めの時期として小幅増益見通しだが、売上面では自動車関連の合成ゴム商材や自動車シート用部品など、高付加価値の主力商材が国内外で好調に推移する。新規商材の拡販、韓国向け液晶関連の回復、国内子会社の資源関連掘削機械の好調なども寄与する。

 第1四半期(10月~12月)は前年同期比6.2%増収、同30.4%営業増益、同26.4%経常増益、同26.2%最終増益で、通期見通しに対する進捗率は売上高24.8%、営業利益29.8%、経常利益31.9%、純利益29.9%と高水準だった。

 自動車向けや家電・情報機器関連向けの合成ゴムが好調に推移し、利益面では増収効果に加えて製品構成比変化も寄与したようだ。期初時点では保守的な見通しを公表する傾向が強く、通期見通しは増額の可能性が高いだろう。

 なお15年2月に、エレクトロニクス関連商品卸売の連結子会社アロマンの全株式をタクミ商事に譲渡すると発表している。グループとして重点志向する事業領域へ経営資源の集中を進める方針だ。15年9月期連結業績に対する影響は軽微としている。

 中期成長に向けた戦略として、新規ビジネスのグリーンイノベーション領域(地熱発電・海洋資源開発・CO2地中貯留、木質バイオマス加工・ガス化熱電併給装置、太陽電池部材などの環境・資源エネルギー関連分野)の強化、ライフイノベーション領域(医薬中間体・原体、食品・バイオ関連向け各種分析機器、医療関連原材料などの生活関連分野)の強化、ASEAN地域や北中米地域などグローバル展開の強化、そしてM&A・アライアンス戦略の推進を掲げている。

 中期目標数値として掲げていた15年9月期の売上高610億円、営業利益30億円のうち、営業利益目標は14年9月期に達成した。そして15年9月期利益見通しは増額の可能性が高く、中期的にも収益拡大基調だろう。

 株価の動きを見ると、戻り高値圏1400円近辺で堅調に推移している。3月中間期末の配当権利落ちなどで1400円を割り込む場面もあったが、素早く切り返している。15年9月期業績増額の可能性を評価する動きだろう。

 4月15日の終値1416円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円82銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間37円で算出)は2.6%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1148円88銭で算出)は1.2倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返す動きだ。サポートラインを確認した形だろう。指標面に割安感があり、15年9月期業績見通し増額の可能性を評価して、3月の戻り高値1473円、そして14年8月高値1579円を試す展開だろう。

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