【アナリスト水田雅展の銘柄分析】電算システムは14年12月高値に接近、15年12月期増収増益見通しを評価して上値試す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 情報サービス事業と収納代行サービス事業を展開する電算システム<3630>(東1)の株価は戻り歩調の展開だ。4月10日には1635円まで上伸して14年12月高値1765円に接近している。15年12月期増収増益見通しを評価して上値を試す展開だろう。なお4月30日に第1四半期の業績発表を予定している。

 情報サービス事業(SI・ソフト開発、情報処理サービス、商品販売)と、収納代行サービス事業(コンビニ収納代行、郵便振替決済代行、ネットショッピング決済、電子マネー決済など)を展開し、クラウドサービスや電子マネーへの対応を強化している。

 収納代行サービスは97年にIT企業として初めて、コンビニエンスストアを利用した料金支払(収納代行)サービスを開始した。現在は総合決済サービスプロバイダーとして、全国7万以上のコンビニエンスストアおよび郵便局窓口でサービスを提供し、年間取扱件数は1億45百万件に達している。

 中期成長に向けたM&A・アライアンス戦略も活発化している。13年10月にはNTTドコモ<9437>と業務提携して、米グーグルの企業向けクラウドビジネスに関する戦略的パートナーとして連携を強化した。14年9月にはガーデンネットワークを子会社化した。同社は全国約2000ヶ所のガソリンスタンド向けに勘定系システムや情報系システムを提供し、当社と商圏が競合していないためエネルギー業界向けITサービス提供拡大に向けてシナジー効果が期待される。

 今期(15年12月期)の連結業績見通し(1月30日公表)は、売上高が前期比13.2%増の300億円、営業利益が同4.0%増の12億円、経常利益が同4.0%増の12億10百万円、純利益が同8.7%増の7億45百万円で、配当予想が同1円増配の年間23円(第2四半期末11円、期末12円)としている。

 SI・ソフト開発は大口取引先のIT投資予算抑制でやや低調となるようだが、情報処理サービスではBPO(情報処理アウトソーシング)業務の量的拡大、サービスのワンストップ化による質的充実、効率的な人員配置と作業の効率化が進展し、子会社化したガーデンネットワークの通期連結も寄与する。収納代行サービス事業では非対面取引市場向け決済サービスの拡大、国内送金サービスの拡大、国際送金サービスの拡大に取り組む方針としている。

 中期経営計画では目標数値として、16年12月期売上高350億円(情報サービス事業194億円、収納代行サービス事業156億円)、営業利益18億20百万円、経常利益18億20百万円、純利益11億62百万円を掲げている。クラウドサービスを第3の柱に育成する方針であり、中期的に収益拡大基調が期待される。

 株価の動きを見ると、水準を切り上げて戻り歩調の展開だ。4月10日には1635円まで上伸して14年12月高値1765円に接近している。15年12月期増収増益見通しを評価する動きだろう。

 4月15日の終値1610円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS76円33銭で算出)は21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS776円68銭で算出)は2.1倍近辺である。

 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線と26週移動平均線が上向きに転じた。強基調への転換を確認した形だ。15年12月期増収増益見通しを評価して14年12月高値1765円を試す展開だろう。

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