中本パックスは下値固め完了、20年2月期増収増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 中本パックス<7811>(東1)はグラビア印刷を主力として、コーティング加工、ラミネート加工、成形加工も展開している。20年2月期増収増益予想である。第1四半期は営業微減益だが、進捗率は概ね順調だった。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く年初来安値圏だが、下値固め完了して出直りを期待したい。

■グラビア印刷が主力

 グラビア印刷を主力として、コーティング加工、ラミネート加工、成型加工も展開している。食品包装分野を主力として、全天候型経営による収益拡大・安定成長を推進している。

 19年2月期用途分類別売上構成比は食品69%、IT・工業材14%、生活資材10%、医療・医薬4%、建材2%、その他1%、売上総利益構成比は食品50%、IT・工業材22%、生活資材17%、医療・医薬6%、建材3%、その他2%だった。

■20年2月期増収増益予想

 20年2月期の連結業績予想は売上高が19年2月期比6.6%増の362億円、営業利益が8.2%増の17億80百万円、経常利益が9.8%増の18億50百万円、純利益が9.8%増の12億70百万円としている。配当予想は19年2月期と同額の年間56円(第2四半期末28円、期末28円)としている。予想配当性向は36.0%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.1%増の86億16百万円で、営業利益が3.0%減の4億26百万円、経常利益が1.0%増の4億71百万円、そして純利益が8.7%増の3億25百万円だった。主力の食品分野は需要が堅調で不採算アイテムの生産性改善も寄与したが、IT・工業材が前年のモバイル関連大型案件の終了や世界的なスマホ市場の低迷による顧客側の在庫調整などで低調に推移し、全体として営業微減益だった。

 分野別の売上増減率および売上総利益増減率は、食品が3.3%増収で11.1%増益、IT・工業材が19.5%減収で26.4%減益、医療・医薬が7.8%減収で25.8%減益、建材が2.0倍増収で29.9%増益、生活資材が2.5%減収で21.1%増益、その他が19.0%増収で21.2%増益だった。

 第1四半期は営業微減益だが、進捗率は売上高23.8%、営業利益23.9%と概ね順調だった。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■中期的に経常利益25億円目指す

 中期経営目標値として売上高500億円、経常利益25億円を掲げている。株主還元については必要な内部留保を確保しつつ、安定配当を実施する方針としている。

 重点戦略としては、収益力向上による会社規模拡大と安定経営、環境経営の推進とNブランド製品の拡販、エンジニアリング部新設(19年3月)による事業強化とスピードアップ、チャイナプラスワンおよび北米市場での販売強化による海外事業の拡大、M&Aの積極活用、基幹システム刷新(20年9月目標)による省力化・コストダウン・効率化の推進を掲げている。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力が鈍く年初来安値圏だが、下値固め完了して出直りを期待したい。7月26日の終値は1492円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS155円40銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間56円で算出)は約3.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1425円81銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約122億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る