JPホールディングスは下値固め完了、20年3月期2桁増益・連続増配予想

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 JPホールディングス<2749>(東1)は総合子育て支援カンパニーである。子育て支援事業の更なる質的成長と既存事業の拡大、事業構造改革による経営基盤の強化、新しいビジネス価値の創出を推進している。20年3月期2桁増益・連続増配予想である。収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。

■総合子育て支援カンパニー

 総合子育て支援カンパニーである。認可保育園や学童クラブなどを運営する子育て支援事業を主力として、保育所向け給食請負事業、英語・体操・リトミック教室請負事業、保育関連用品の物品販売事業、研究・研修・コンサルティング事業なども展開している。

 19年3月期末運営施設数は、保育園200(認可保育園・公設民営12、認可保育園・民設民営160、小規模保育事業2、東京都認証保育所21、企業主導型保育事業2、その他認可外保育園3)、学童クラブ72、児童館11、民間学童クラブ5、海外幼稚園1、合計289園・施設(18年3月末比17園・施設増加)である。首都圏中心に展開している。なお19年4月1日、新規施設12(保育園10、学童クラブ2)を運営開始した。

 海外は17年9月、ベトナムのダナン市に幼稚園(100%出資現地法人が運営するCOHAS DA NANG)を開園している。

 収益は既存施設の稼働率、新規施設の開園、保育士待遇改善に伴う人件費の増加、補助金の増減などが影響する。また新規施設の開園は概ね4月のため、期前半は各施設への保育士配置に係る費用が先行するが、児童数が増加して稼働率が上昇する期後半に向けて収益が拡大する特性がある。

■20年3月期2桁増益・連続増配予想

 20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比9.2%増の320億円、営業利益が18.3%増の18億11百万円、経常利益が19.8%増の23億円、純利益が13.2%増の12億12百万円としている。配当予想は20銭増配の年間3円90銭(期末一括)で、予想配当性向は27.7%となる。

 新規施設17(保育園12、学童クラブ5)の開設や、既存施設の収益性改善で2桁増益・連続増配予想である。19年4月1日時点で新規施設12(保育園10、学童クラブ2)を運営開始した。また新規開設に捉われることなく、保育士確保による既存施設受け入れ児童数拡大を推進する。

 第1四半期は、売上高が前年同期比9.0%増の77億41百万円で、営業利益が52百万円の黒字(前年同期は1億38百万円の赤字)、経常利益が1億87百万円の黒字(同8百万円の赤字)、純利益が1億39百万円の黒字(同16百万円の赤字)だった。

 新規施設開設、既存施設での受け入れ児童数増加、処遇改善に伴う補助金の増額などで増収となり、販管費削減も寄与して営業黒字化した。経常利益は寮利用者増加に伴う補助金増額も寄与した。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■25年3月期売上高1000億円目指す

 長期経営ビジョン2025では、目標値として25年3月期売上高1000億円規模(内訳は既存の子育て支援事業500億円、新規事業100億円、資本提携・業務提携400億円)を掲げ、基本戦略として子育て支援事業の更なる質的成長と既存事業の拡大、事業構造改革による経営基盤の強化、新しいビジネス価値の創出を推進している。

 中期経営計画では目標値に21年3月期売上高350億円、経常利益27億円を掲げている。重点施策として、安全対策の強化および保育の質の更なる向上、新規開設および既存施設の保育士増員による受入児童拡大、人材への投資拡大(採用活動の強化、人材システムの見直し)、コンプライアンスの徹底およびコーポレート・ガバナンスの更なる強化、経営管理体制・収益管理体制の高度化および経営の効率化を捉えた組織改編、新規事業の開発・推進による収益基盤の拡大、子育て支援業界および教育産業業界でのシナジー施策(業務提携・資本提携)を推進する。

■株主優待制度は毎年9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月末日現在の5単元(500株)以上保有株主を対象(詳細は会社HP参照)として実施している。

■株価は下値固め完了

 株価は8月の直近安値圏から反発の動きを強めている。下値固め完了して出直りを期待したい。9月11日の終値は280円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS14円08銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間3円90銭で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS102円23銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約246億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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