マーチャント・バンカーズがエストニアの不動産投資プラットフォーム企業とセキュリティトークン化(STO)で提携

新製品&新技術NOW

■エストニアは国を挙げてブロックチェーン技術に基づく電子立国を推進

 マーチャント・バンカーズ<3121>(東2)は10月28日の夕方、エストニアで不動産投資プラットフォームを構築・運営するBitOfProperty OÜ(以下、BOP社)との間で、協働して、エストニアの不動産物件のセキュリティトークン化(STO)に取り組むことで同日付で合意したと発表した。

■エストニア大使館から人材の紹介を受けSTO事業に取り組むことに

 エストニアは、2019年7月12日付の日本経済新聞「エストニア電子政府特集」でも紹介されたように、国を挙げてブロックチェーン技術に基づく電子立国を進めている。ITやブロックチェーンの分野の企業や人材の集積も進んでいて、この分野での更なる成長が期待されている。

 このたびの合意は、エストニア大使館から、BOP社の共同創始者でCOOであるKarl Vään氏の紹介を受け、今般、協働して、STOに取り組むことについて、合意に至った。

■ブロックチェーン技術を活用して、より市場性や安全性を高める

 具体的な事業として、(1)BOP社は、STOのためのエストニアの不動産案件を確保する。(2)マーチャント・バンカーズとBOP社、ならびに外部の協力体制のもと、エストニアの物件をセキュリティトークン化、すなわち、流通可能な形態の電子情報にする。(3)マーチャント・バンカーズは、現在準備中の仮想通貨交換所「ANGOO FINTECH」などを通じ、セキュリティトークン化したエストニアの物件への投資家をアレンジする、などを行う。

■全世界の物件情報を全世界の投資家に提供

 マーチャント・バンカーズは、現在、サービス開始に向けて準備を進めているエストニアの仮想通貨交換所「ANGOO FINTECH」との協力関係のもと、投資家並びに発行体のSTOに対するニーズが高まる可能性に、おおいに着目し、STOによる自社不動産の流動化や、STOを希望する企業に対し、スキームや外部協力体制の確保など、STO実施のために必要な情報の提供やアドバイスなど、ビジネスとして、STOにこれから取り組んでいこうとしている。

 2019年9月に発表した香港の証券会社「BS SECURITIES LTD」との提携のように、今後、国内外に連携関係を構築し、これから積極的に取り組んで行く計画だ。

 今回、その一環として連携関係を締結するBOP社は、BOP社が構築した不動産投資プラットフォーム「Bit of Property」を通じ、エストニアの首都タリンに所在する、レジデンスを中心にした5物件のクラウドファンディングを手掛けてきた。「Bit of Property」は、インターネット上で、会員に投資情報として不動産物件の情報を提供し、希望する会員は、当該物件に小ロットでの投資を行うことができるサービス。BOP社は、このプラットフォームをベースに、ブロックチェーン技術を活用して、より市場性や安全性を高め、BOP社が「InterNationalPropertyExchange」(国際財産取引所エコシステム)と名付けた、全世界の物件情報を、全世界の投資家に提供するプラットフォームを構築することを志向している。

 この「InterNationalPropertyExchange」の構築にあたり、BOP社は、金融のライセンスが必要な部分や、エストニア以外の物件の確保などは、国境を越え、不動産やシステムをはじめ、あらゆる分野の会社との協力関係により、構築してゆくことを志向している。今回、BOP社は、この「InterNationalPropertyExchange」構想の一環として、マーチャント・バンカーズや「ANGOO FINTECH」からの支援、情報共有や役割分担を期待し、提携に合意した。今後、国内外に連携関係を構築し、これから積極的に取り組んで行く計画だ。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る