クリナップは戻り試す、20年3月期連結業績予想を上方修正

日インタビュ新聞ロゴ

 クリナップ<7955>(東1)はシステムキッチンの大手で、システムバスルームも展開している。10月31日に20年3月期第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。収益改善を期待したい。株価は下値固め完了して反発している。戻りを試す展開を期待したい。

■システムキッチン大手でシステムバスルームも展開

 システムキッチンの大手である。厨房部門(システムキッチン)を主力として、浴槽・洗面部門(システムバスルーム・洗面化粧台)も展開している。19年3月期部門別売上構成比は厨房部門78.0%、浴槽・洗面部門15.6%、その他6.4%だった。

 19年3月期末のショールーム数は103ヶ所、来場組数は447千組だった。販売ルートは工務店を主力としている。収益面では新設住宅着工件数やリフォーム需要の影響を受けやすい特性がある。

 中期経営計画(18年~20年)ではビジョンに「暮らし価値創造企業Cleanupへの変革」を掲げている。重点施策として、高級・超高級市場への本格参入に向けた商品ラインナップの変革、シェア回復に向けたフラッグシップモデルの刷新、ショールームにおける価値提供の強化、アジア諸国向けステンレスキャビネットの本格展開、新たな販売チャネルとしてのECビジネス立ち上げなどを推進する。

■20年3月連結業績予想を上方修正

 10月31日に20年3月期第2四半期累計および通期の連結業績予想を上方修正した。

 第2四半期累計の予想は、売上高が前年同期比9.7%増の547億円、営業利益が22億円の黒字(前年同期は11億59百万円の赤字)、経常利益が22億50百万円の黒字(同10億95百万円の赤字)、純利益が15億50百万円の黒字(同12億86百万円の赤字)とした。

 期初計画は売上高514億円、営業利益3億円、経常利益3億30百万円、純利益50百万円だった。消費税増税前の駆け込み需要も寄与して売上高が計画を上回り、原価低減や販管費削減も寄与して各利益が計画を大幅に上回る見込みとなった。

 通期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比3.4%増の1080億円、営業利益が24億50百万円の黒字(19年3月期は4億65百万円の赤字)、経常利益が25億円の黒字(同3億76百万円の赤字)、純利益が15億円の黒字(同7億04百万円の赤字)とした。配当予想は据え置いて19年3月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は48.8%となる。

 下期に駆け込み需要の反動減を考慮しているが、通期も期初計画(売上高1070億円、営業利益11億円、経常利益11億50百万円、純利益5億50百万円)を上回る見込みだ。中核ブランド刷新やショールーム強化などにより、中高級システムキッチンを中心に売上・利益拡大を図るとしている。収益改善を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は下値固め完了して反発している。戻りを試す展開を期待したい。10月31日の終値は583円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS40円98銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1388円62銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約218億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る