JFEシステムズは01年高値に接近、20年3月期2桁増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。20年3月期2桁増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は01年の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■JFEグループの情報システム会社

 JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。19年4月にはビジネスインテリジェンス領域に特化した独立系ITコンサルティング会社のIAFCを子会社化した。

 19年3月期の事業別売上高は鉄鋼187億円、一般顧客152億円、基盤サービス46億円、子会社(JFEコムサービス)41億円だった。収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。

 中期経営計画(19年3月期~21年3月期)の目標数値には、21年3月期売上高460億円以上、経常利益32億円以上、純利益20億円以上、配当性向(目安)30%を掲げている。経常利益と純利益は19年3月期に2期前倒しで目標を達成した。

 重点戦略は、高収益事業への構造転換で製鉄所システムリフレッシュ本格化に向けた体制確保、AIやIoTなど新技術を活用したソリューション事業の拡大、クラウドやセキュリティ関連など基盤サービス事業の拡大、基幹事業の強化で自動車向け体制充実や金融向け構造転換推進など製造・金融分野の顧客基盤強化、プロダクト事業(食品、電子帳票)強化によるニッチトップ確立としている。

 なお、女性の活躍推進の取り組みが優れた企業を厚生労働大臣が認定する「えるぼし」や、働き易い職場環境整備・意識啓発に取り組む企業を東京都が登録する「心のバリアフリーサポート企業」など、働き方・企業風土に関する各種認証を取得している。

■20年3月期2桁増益予想

 20年3月期の連結業績予想(10月28日に利益を上方修正)は、売上高が19年3月期比12.7%増の480億円、営業利益が15.2%増の40億円、経常利益が16.0%増の40億円、純利益が12.0%増の26億円としている。配当予想(10月28日に期末10円上方修正)は15円増配の100円(期末一括)としている。7期連続増配予想である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比8.8%増の222億79百万円、営業利益が26.1%増の20億39百万円、経常利益が26.4%増の20億28百万円、純利益が21.9%増の13億11百万円だった。鉄鋼部門の増収や新規連結(IAFC)効果などで、売上高、利益とも過去最高を更新した。

 通期の事業別売上高計画は、鉄鋼が製鉄所システム刷新関連の増加で18億円増の205億円、一般顧客が金融関連の減少をソリューションの増加でカバーして10億円増の162億円、基盤サービスがJFEスチール・グループ向けの拡大で11億円増の57億円、子会社(JFEコムサービス、IAFC)が15億円増の56億円としている。

 20年3月期は6期連続で過去最高更新予想である。需要が高水準に推移し、利益面ではプロダクト事業など高採算事業の構成比上昇、鉄鋼部門における原価削減が寄与する。収益拡大を期待したい。

■株価は01年高値に接近

 株価は01年の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月30日の終値は3930円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS331円10銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想100円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1939円21銭で算出)は約2.0倍、時価総額は約309億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る