【編集長の視点】綿半HDは「巣ごもり消費」関連株買いを月次売上プラスと連続最高業績が支えて続伸

綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日17日に33円高の1871円とこの日の高値で引け続伸した。経済活動を早期再開した米国や中国で新型コロナウイルス感染症の新規感染者が増加に転じたことから、同社株に「巣ごもり消費」関連の割安株買いが増勢となった。また今年6月10日に発表された今期5月度の月次売上が、23.4%増と高い伸びを示した前年同月に比べてさらにプラスとなり、リアル店舗とインターネット通販事業が相乗効果を高め、今2021年3月期業績が、6期連続の過去最高更新と予想されていることも見直されている。

■チラシ中止、営業時間短縮でも店舗優位性を発揮し前年上回る

 同社の5月度売上高は、既存店が前年同月比6.4%増、全店が5.9%増と前月4月度のマイナスからプラス転換した。前年同月は全店売上高が、23.4%増と前期では消費税増税前の駆け込み需要のあった9月度の36.3%に続く高い伸びとなっており、これをオーバーした。しかも今期5月度は、チラシ配布を休止したほか、新型コロナウイルス感染症の予防対策の店舗消毒作業のため閉店時間を2時間繰り上げており、それだけ巣ごもり需要は強く、食料品、DIY・レジャー園芸用品などが好調に推移し売上高とともに客数、客単価も前年同月を上回った。

 このリアル店舗では、中野店をはじめ店舗改装を積極継続するほか、チャージ式電子マネーカード「goca(ゴウカ)」を順次導入し、さらに名古屋や新潟などから生鮮魚介類を直送仕入れするなどホームセンターで食料品を取り扱う独自のビジネスモデルの競争力を高めており、ネット販売でも2018年12月に子会社化した通販子会社の寄与が本格化し、小売業に占めるネット通販比率は、前期に約16%まで高まった。このリアルとネットの相乗効果のため、今2021年3月期業績は、売り上げ1202億7700万円(前期比0.1%増)、営業利益26億5300万円(同0.6%増)、経常利益28億5100万円(同1.4%増)、純利益16億5000万円(同8.6%増)と6期連続の過去最高更新が予想されている。さらに中期経営計画では、2022年3月期に売り上げ1200億円、経常利益32億円を目標にしており、高成長が続くことになる。

■25日線でのスピード調整が煮詰まり年初来高値奪回に再発進

 株価は、前期第3四半期の好決算を受けて年初来高値2006円をつけたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)、世界同時株安の混乱のなかで年初来安値1193円まで急落した。同安値からは、下げ過ぎ修正に動き「巣ごもり消費」関連株買いも上乗せとなって1895円高値まで買い進まれ59%高した。この大幅リバウンドで25日線が75日線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現し上昇トレンド転換を示唆した。足元では25日線水準でのスピード調整に煮詰まり感を強めており、PER11倍台、PBR1.16倍の割り負け修正でまず年初来高値奪回へ再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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