【編集長の視点】Oakキャピタルは連結子会社のIPO準備を手掛かりに極低位有配株買いが再燃し反発

Oakキャピタル<3113>(東2)は、平成最終売買日の4月26日に3円高の143円と変わらずを含めて7営業日ぶりに反発して引け、今年1月4日につけた年初来安値122円に並ぶ安値水準から底上げする動きを強めた。同社は、10連休明け後の5月10日に3月期決算の発表を予定しており、この業績期待のほか、連結子会社のノースエナジー(北海道札幌市)の新規株式公開(IPO)の準備に入ったことを手掛かりとして極低位有配株買いが再燃した。テクニカル的にも、26日の反発で小幅ながらも上昇転換を示唆する陽線包み足を示現しており、サポート材料視されている。

――――IPO準備のノースエナジーは2020年3月期第1四半期から連結決算化――――

 ノースエナジーは、Oakキャピタルが投資銀行のアセットマネジメント事業の多角化の一環として2018年4月に出資し、来2020年3月期第1四半期(2019年4月~6月期、1Q)から連結決算対象とする予定である。同子会社は、個人・法人投資家向けに自然エネルギー発電事業を開発・販売・運営し、太陽光発電施設は全国361基に達し、業績も2014年2月の創業期以来黒字を続け、今2019年12月期業績は、売り上げ40億円、経常利益6億円を計画している。今2019年度も新たに150基~170基の太陽光施設の増設を予定しており、IPOがこの積極投資戦略推進を支援し、Oakキャピタル・グループの成長戦略に寄与してくる。

 一方、Oakキャピタル自体の業績は、投資銀行の事業特性上、株式市場の変動要因による影響が極めて大きいとして業績ガイダンスを行わず、四半期決算の迅速な開示に取り組んでいる。直近の2019年3月期第3四半期(2018年4月~12月期、3Q)業績は、売り上げ21億3400万円(前年同期比57.0%減)、営業利益6億500万円の赤字(前年同期は17億5600万円の黒字)、経常利益6億87000万円の赤字(同16億4400万円の黒字)、純利益6億8900万円の赤字(同13億7400万円の黒字)で着地し、投資案件の投資期間が平均1年から2年であり、案件ごとの回収や期間が異なることを要因とした。

 このためノースエナジーの連結決算化などが始まる2020年3月期業績への期待が高まり、5月10日の3月期決算の動向が注目されるところで、東洋経済会社四季報最新号では2020年3月期業績が黒字転換、純利益は6億円、配当も5円~10円と復元増配含みと観測している。

――――昨年来安値から年初来高値への急騰幅の半値戻しで陽線包み足を示現し高値再チャレンジ――――

 株価は、昨年12月に世界同時株安に巻き込まれて昨年来安値108円へ突っ込み、1株純資産173円割れは売られ過ぎとして底上げし、今年3月に期末の配当権利取りに加えて東岳証券(現スターリング証券・東京都千代田区)の株式取得による証券業参入、ノースエナジーのIPO準備と好材料が続いて年初来高値188円まで74%高し、足元では、10連休を前に利益確定売りも出て、急伸幅の半値押し水準を固めている。PBRは0.8倍と割り負け、陽線包み足も示現したことから極低位有配株人気を再燃させ年初来高値へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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