ネオジャパンは反発の動き、21年1月期大幅増収増益予想で22年1月期も収益拡大基調

日インタビュ新聞ロゴ

 ネオジャパン<3921>(東1)は自社開発のグループウェアのクラウドサービスを主力としている。21年1月期大幅増収増益予想(利益2回目の上方修正)としている。利益予想には3回目の上振れ余地がありそうだ。DX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが追い風であり、22年1月期も収益拡大基調だろう。株価は利益確定売りで急反落の形となったが、売り一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■自社開発グループウェアのクラウドサービスが主力

 ビジネス・ITコミュニケーションツール開発企業である。自社開発のグループウェア「desknet‘s NEO」のクラウドサービス(月額課金収入)を主力として、大企業向け中心のプロダクト(パッケージソフト販売のライセンス収入およびサポートサービス収入)も展開している。

 20年1月期の売上構成比は、ソフトウェア事業が82%(うちクラウドサービスが57%、プロダクトが40%、技術開発が3%)、システム開発サービス事業(子会社Pro-Spire)が18%だった。またストック売上(クラウドサービスおよびサポートサービス)比率は77%だった。ストック売上の積み上げにより、高収益構造である。

 グループウェア「desknet‘s NEO」は、ローカライゼーション(日本語、日本の商習慣やビジネス習慣など)に対応した27の基本機能を備え、多機能・使いやすさ・高品質・低価格を強みとしている。20年12月にはメジャーバージョンアップ版V6.0の提供を開始した。

 20年1月期末時点のシリーズ累計ユーザー数は約415万ユーザー(うちクラウド版は約30万ユーザー)である。業種・業態・規模を問わず幅広く企業・官公庁・自治体に採用されている。中長期的には累計ユーザー数1000万ユーザーを目指すとしている。

 なお日経BPガバメントテクノロジー誌2020年秋号において、日経BPガバメントテクノロジー自治体ITシステム満足度調査2020-2021グループウェア/ビジネスチャット部門で3年連続1位を獲得した。

 また21年1月には、アイティクラウドのIT製品比較・レビューサイト「ITreview Grid Awaed 2020 Fall」において、グループウェア「desknet‘s NEO」がグループウェア部門とワークフロー部門の2部門で8期連続アワードを受賞、ビジネスチャット「ChatLuck」が2期連続のアワードを受賞した。

■シェア拡大と東南アジア市場開拓を推進

 中期成長戦略として、グループウェア「desknet‘s NEO」を核とするエンタープライズ向け製品の市場シェア拡大、シナジーが見込めるアライアンスへの戦略投資、マレーシアの合弁会社を拠点とするクラウドサービスの東南アジア市場開拓などを推進する。

 製品ラインアップ拡充では、カスタムメイド型業務アプリ作成ツール「AppSuite」や、新しいコミュニケーションツールとしてのビジネスチャット「ChatLuck」を提供している。20年2月には大塚製薬と健康経営の推進に向けて協業し、働く人の健康管理を支援するサービス「健康サポートプラス」を開始した。また1月21日には、グループウェア「desknet‘s NEO」との連携を強化したビジネスチャット「ChatLuck」バージョン4.0の提供を開始した。

 アライアンスおよび海外展開では19年6月米国子会社DELCUIを設立、19年8月システムインテグレーションのPro―SPIREを子会社化、19年12月マレーシアに合弁会社NEOREKA ASIAを設立した。また21年2月には、タイに子会社を設立予定である。

■21年1月期大幅増収増益予想

 21年1月期連結業績予想(9月10日に利益を上方修正、12月14日に利益を2回目の上方修正)は、売上高が20年1月期比42.4%増の53億31百万円、営業利益が28.7%増の9億円、経常利益が28.3%増の9億20百万円、純利益が28.9%増の6億38百万円としている。配当予想(12月14日に期末2円50銭上方修正)は2円50銭増配の10円(期末一括)としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比68.1%増の39億25百万円、営業利益が49.7%増の8億22百万円、経常利益が49.0%増の8億36百万円、純利益が34.4%増の5億15百万円だった。主力のクラウドサービスが牽引して計画超の大幅増益だった。

 ソフトウェア事業は8.7%増収だった。クラウドサービスが19.0%増収と牽引した。グループウェア「desknet‘s NEO」クラウド版が利用ユーザー数の増加で21.5%増収と大幅伸長した。プロダクトは2.1%減収だった。クラウドサービスへの移行でライセンス売上が減少した。

 システム開発サービス事業は、19年8月子会社化したPro―SPIREが寄与(前年第3四半期は貸借対照表のみ連結)した。海外事業はマレーシアの子会社NEOREKA ASIAを第3四半期から新規連結した。

 通期の連結業績予想は売上高を据え置き、利益を上方修正(2回目)した。売上高の計画はクラウドサービスが17.3%増収、プロダクトが1.1%減収、技術開発が13.0%減収、システム開発サービスが2.9倍増収(20年1月期はPro―SPIREの4ヶ月分)としている。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が73.6%、営業利益が91.3%である。第4四半期に大型オンラインイベントの開催を予定し、広告宣伝費の増加を見込むが、通期利益予想に3回目の上振れ余地がありそうだ。さらにDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れが追い風であり、22年1月期も収益拡大基調だろう。

■株主優待は1月末と7月末の年2回

 株主優待は年2回、1月末と7月末の株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 株価は利益確定売りで急反落の形となったが、売り一巡して反発の動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。1月22日の終値は2012円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS42円95銭で算出)は約47倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約0.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS259円69銭で算出)は約7.7倍、時価総額は約299億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る