サンコーテクノの今期業績予想は、前期に引き続き売上高、経常利益共に過去最高を見込む

■新製品の売上高は5年間で7倍を超える規模までに急成長

 あと施工アンカーのサンコーテクノ<3435>(東2)の今期業績予想は、前期に引き続き売上高、経常利益共に過去最高を見込む。

 好業績の背景には、同社ならではの新製品の開発力がある。過去6年の新製品売上高比率を振り返ると、2010年の3.2%から2015年には17.0%と全体の売上が拡大するなかでも、大きく伸びている。金額ベースでは、4億26百万円から30億40百万円と5年間で7倍を超えるペースで急成長している。

 15年3月期の新製品は、e―シートクイック、テクノテスターグラフポータブル、トガリス、メタルセーフアンカー、メタルロックアンカー、新型アルコール測定器ST―3000の6種類と、子会社IKKの鉄筋カッターDC―13RZ、DC―16RZ、充電ディスペンサーDJ―AX2、コードレスツライチカッターDFC20HL、コードレスアンカー打ち込み機SD―321R―CLがある。いずれの製品も現場の声を反映して作った製品であることから、好評である。

 尚、これらの新製品の原点となるのが、オールアンカーである。画期的なアンカーであることから、開発以来同社の主力商品となっている。

 15年3月期も既存製品の売上に加え、新製品の売上が伸びたことから、連結業績は、売上高178億35百万円(14年3月期比3.6%増)、営業利益15億11百万円(同0.1%減)、経常利益15億09百万円(同2.5%増)、純利益11億14百万円(同22.4%増)と売上高、経常利益、純利益は過去最高を達成した。

 同社の事業は、ファスニング事業、リニューアル事業、センサー事業に分かれている。

 事業別の業績は、ファスニング事業では、都市圏を中心とした堅調な再開発需要と、維持保全需要が回復した。また、主力製品である金属系・接着系アンカー・ワンサイドファスナー・電動油圧工具の販売も好調であった。その結果、売上高134億23百万円(同2.6%増)、セグメント利益11億70百万円(同4.3%増)と増収増益であった。

 リニューアル事業の売上高は、太陽光関連工事とその商材が好調に推移したことから38億54百万円(同6.9%増)と増益であった。しかし利益面では、販売経費が増加したことで3億32百万円(同7.7%減)と減益になった。

 センサー事業は、売上高6億65百万円(同2.8%増)と増収であったが、棚卸資産簿価切り下げの影響による利益減(約14百万円)とST―3000の発売が当初予定の12月から2月末に遅れたこともあり、セグメント利益02百万円(同85.2%減)と大幅減益となった。

 同社は、2010年から経営スローガン「チャレンジ35」を掲げ、3つの改革(組織改革、システム改革、ヒューマン改革)と5つの施策(売上の年間5%UP、新製品の売上比年間5%UP、原価5%削減、営業利益率5%確保、成果報酬の倍増)を推進してきた。15年3月期が「チャレンジ35」の最終年度であったので、5年間の結果を振り返る。

 3つの改革の組織改革については、11年3月期より事業部・本部制を導入した。システム改革は、12年3月期に基幹システムを再構築し、13年3月期までに新たな基幹システムを導入した。ヒューマン改革についても、14年から15年3月期までに、人事制度の見直しを行った。

 5つの施策については、15年3月期の売上高は10年3月期比で35.7%増の178億35百万円となったことで、売上高の年間5%UPを達成した。新製品の売上高比年間5%UPも15年の売上高が30億40百万円と10年の売上高4億26百万円の7.13倍となったことで達成している。原価5%削減については、15年3月期の売上総利益率31.6%に対して、10年3月期は28.3%と1.7%未達であった。営業利益率の5%確保は、14年3月期に8.7%と1年前倒しで実現した。成果報酬の倍増についても一昨年達成している。以上のように、原価5%削減を除き、「チャレンジ35」の目標は達成したことになる。

 今期は、新中期経営計画(2016年3月期から2020年3月期)の初年度となる。スローガンとして、「私たちは独自の締結(ファスニング)システムで、安全・安心を提供するモノづくり集団を追究します」を掲げている。具体的な数値目標としては、売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上、RОA8.0%以上を挙げている。

 今期より、組織も変更している。これまでのファスニング事業、リニューアル事業、センサー事業体制から、ファスニング本部、機能材本部の2本部体制とする。リニューアル事業の工事部門をファスニング本部に編入し、工事部門以外のリニューアル事業を機能材本部に加えている。

 今期16年3月期連結業績予想は、売上高188億円(前期比5.4%増)、営業利益16億20百万円(同7.2%増)、経常利益16億円(同6.0%増)、純利益10億75百万円(同3.5%減)と最終利益を省き売上高、営業利益、経常利益共に過去最高を見込む。

 配当については、3円増配の18円を予想している。

 主力のファスニング事業に工事部門を加え、工事現場の声をもっと汲み取りやすい環境を整えたことで、新製品の開発に今まで以上に反映されることになる。更に、前期までにタイ工場の設備を一新し、生材のコイルから独自でアンカーを生産できるまでに投資したことで、低コストでのアンカー生産を可能としている。また、これまでは、電動ドリルの消耗品を外部から購入していたが、PVD(物理蒸着)コーティング炉を導入したことで、社内で生産することが出来る体制となったことから、より使いやすい消耗品を制作することが出来るようになった。日本の工場では、レーザー加工機、新型メタルソー研磨機、NC旋盤等を導入している。特にメタルソー研磨機は独自で開発したもので、他社にはないという強みがある。

 事業環境は、社会インフラの老朽化、リニア関連、東京オリンピック関連の工事が控えていることから良好といえる。更に、タイの高速鉄道建設について「日本の新幹線方式」を大筋で導入すると決定していることから同社にとっては、追い風といえる。

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