イトーキは21年12月期営業・経常横ばい予想だが保守的

日インタビュ新聞ロゴ

(決算速報)
 イトーキ<7972>(東1)は2月12日の取引時間終了後に20年12月期連結業績(2月10日に上方修正)を発表した。従来の営業・経常大幅減益予想から一転して営業・経常大幅増益で着地した。第4四半期の需要回復が想定以上となり、販管費削減なども寄与した。21年12月期は営業・経常利益横ばい予想とした。ただし保守的だろう。需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。株価はモミ合い展開だが上放れの動きを強めている。出直りを期待したい。

■20年12月期営業・経常大幅増益、21年12月期営業・経常横ばい予想

 20年12月期連結業績は売上高が19年12月期比4.9%減の1162億10百万円だが、営業利益が99.1%増の17億98百万円、経常利益が99.0%増の18億81百万円だった。当期純利益は特別損失(減損損失、開業費償却など)計上で2億35百万円の赤字(19年12月期は5億50百万円の赤字)だった。

 新型コロナウイルスの影響で第2四半期から需要が急減速したため、従来は営業・経常大幅減益予想としていたが、第4四半期の需要回復が想定以上となり、販管費の削減なども寄与して、一転して営業・経常大幅増益で着地した。

 通期ベースでは、オフィス関連事業は0.0%減収で14.8%減益、設備機器関連事業は11.0%減収だがコストダウン効果で2.6倍増益、その他はパーソナル事業におけるテレワーク需要で5.4%増収となり、営業黒字化した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高377億07百万円で営業利益30億01百万円、第2四半期は売上高269億97百万円で営業利益3億70百万円の赤字、第3四半期は売上高214億89百万円で営業利益19億12百万円の赤字、第4四半期は売上高300億17百万円で営業利益10億79百万円だった。

 21年12月期連結業績予想は売上高が20年12月期比1.9%減の1140億円、営業利益が0.1%増の18億円、経常利益が1.0%増の19億円、当期純利益が特別損失一巡で7億円の黒字(20年12月期は2億35百万円の赤字)としている。

 新型コロナウイルスなどで厳しい事業環境が続くことを想定して減収、利益率改善で減収影響を挽回して営業・経常利益横ばい予想としている。ただし保守的だろう。需要が回復基調であり、収益拡大を期待したい。

■株価はモミ合い上放れの動き

 株価はモミ合い展開だが、上方修正も好感して上放れの動きを強めている。出直りを期待したい。2月12日の終値は355円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS15円50銭で算出)は約23倍、時価総額は約162億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る