シャノンは上値試す、21年10月期1Q大幅増益で通期上振れの可能性

株式市場 銘柄

 シャノン<3976>(東マ)はマーケティングクラウドを展開している。21年10月期は先行投資負担を吸収して大幅増益予想としている。3月12日の取引時間中に発表した第1四半期連結業績は大幅増益となり、通期利益予想を超過達成した。通期予想を据え置いたが上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は第1四半期業績を好感して急反発している。上値を試す展開を期待したい。

■マーケティングクラウドを展開

 企業のマーケティング課題を解決するマーケティングクラウド、および関連する総合コンサルティングを展開している。

 シャノンマーケティングプラットフォームをコア技術として、MA(マーケティングオートメーション)とEM(イベントマーケティング)のサービスを提供し、中期成長に向けてMAサブスクリプションの拡大を重点課題としている。

 20年6月にはブイキューブ<3681>と企業のオンラインセミナー開催支援サービスで連携、Jストリーム<4308>と企業のオンラインイベント開催支援サービスで連携した。20年12月にはバーチャルイベントサービスの子会社ZIKUを設立した。また21年2月には、富士通にシャノンマーケティングプラットフォームが導入されたと発表している。

■21年10月期大幅増益予想、1Q大幅増益で通期上振れの可能性

 21年10月期連結業績予想は、売上高が20年10月期比20.1%増の21億46百万円、営業利益が44.7%増の58百万円、経常利益が73.5%増の63百万円、当期純利益が42.1%増の80百万円としている。

 売上高の計画は、MAが17.7%増収(MAサブスクリプションが10.0%増収、MAプロフェッショナルが36.6%増収)で、EMが28.3%増収としている。いずれも大幅伸長して、積極採用による人件費の増加など先行投資負担を吸収する見込みだ。収益拡大を期待したい。

 第1四半期は、売上高が前年同期比13.7%増の5億95百万円で、営業利益が3.2倍の1億06百万円、経常利益が3.3倍の1億05百万円、四半期純利益が3.0倍の94百万円だった。各利益は通期利益予想を超過達成した。

 売上面では、MAが19.0%増収(MAサブスクリプションが15.0%増収、MAプロフェッショナルが28.2%増収)、EMが4.2%増収と伸長した。MAサブスクリプションは一部案件で従量課金売上が想定以上に発生し、MAプロフェッショナルは大型案件も寄与した。利益面では、緊急事態宣言再発出に伴う在宅勤務や活動自粛によって、旅費交通費や消耗品等が減少したことも寄与した。

 通期予想は据え置いた。第2四半期以降に発生予定のコストなどを考慮している。ただし通期利益は上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は戻り高値圏から急反落してモミ合う形だったが、第1四半期業績を好感して急反発している。上値を試す展開を期待したい。3月12日の終値は2234円、時価総額は約33億円である。

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