ヴィッツは下値固め完了、21年8月期は新型コロナや先行投資で減益予想だが22年8月期収益拡大期待

株式市場 銘柄

 ヴィッツ<4440>(東1)は、自動車・産業製品向け組込ソフトウェア開発を主力として、地域密着型Town MaaSの構築を推進している。21年8月期は新型コロナウイルスの影響や先行投資で減益(レンジ)予想だが、22年8月期の収益拡大を期待したい。株価は21年8月期減益予想を織り込んで下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■組込ソフトウェア開発が主力

 自動車・産業製品向け制御ソフトウェア受託開発などの組込サービス事業を主力として、自動車関連シミュレーション環境などのシステムズエンジニアリング事業、電子機器装置安全性分析支援などのトラストシステムコンサルティング事業、その他事業(子会社のソフトウェア開発検証事業など)も展開している。

 成長戦略ではブロックチェーン技術を利用して、スマートモビリティと観光・エンタメサービスを融合させた地域密着型Town MaaS(Mobility as a Service)の構築を推進している。21年3月にはジャスミーと未来社会創生共同ラボを運営すると発表した。MaaSプラットフォーム「SXiM」で扱う個人データを、ジャスミーのプラチナデータ構想を活用して実現するために、共同研究を行う。

■21年8月期減益予想だが22年8月期収益拡大期待

 21年8月期の連結業績予想(1月13日公表、レンジ予想)は、売上高が20億円~22億円(20年8月期比10.0%減~1.0%減)、営業利益が1億80百万円~2億円(46.5%減~40.6%減)、経常利益が1億85百万円~2億05百万円(44.1%減~38.1%減)、当期純利益が1億27百万円~1億41百万円(42.8%減~36.5%減)としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比2.7%減の4億75百万円となり、営業利益が20.0%減の35百万円だった。新型コロナウイルスの影響で主力の組込サービス事業の受注が減少し、先行投資に伴う費用増加も影響した。

 21年8月期は通期ベースでも、新型コロナウイルスの影響を考慮して売上を保守的に見込み、積極的な研究開発・営業活動に向けた先行投資の影響で減益予想としているが、22年8月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価(20年7月31日付で東証マザーズから東証1部に市場変更)は、21年8月期減益予想を織り込んで下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。3月26日の終値は2215円、時価総額は約92億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る