クリーク・アンド・リバー社は21年2月期増収増益で過去最高、22年2月期も増収増益で連続増配予想

(決算速報)
 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)は4月8日の取引時間終了後に21年2月期連結業績を発表した。新型コロナウイルスによるマイナス影響を吸収して増収増益となり、過去最高を更新した。22年2月期も増収増益・連続増配予想としている。また中期経営計画も発表した。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。00年の上場来高値も視野に入りそうだ。

■21年2月期増収増益、22年2月期も増収増益予想

 21年2月期連結業績は、売上高が20年2月期比13.3%増の373億14百万円、営業利益が17.4%増の24億47百万円、経常利益が18.1%増の24億85百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.2%増の16億47百万円だった。配当は1円増配の16円(期末一括)とした。

 従来予想(1月8日に修正)を上回り、2桁増収増益で過去最高だった。日本クリエイティブ分野のライツ事業などが好調に推移し、新型コロナウイルスによるマイナス影響(クリエイティブ分野および法曹・会計分野の新規成約・稼働遅れ、クリエイティブ分野のアウトソーシング案件減少、医療分野のレジナビフェア中止、その他分野のアパレル派遣減少、VR機材生産ラインストップによる注文キャンセルなど、全社ベースで売上高20億円、営業利益6億円のマイナス影響)を吸収した。経費の効率化も寄与した。

 四半期別営業利益は第1四半期が前年比33%増、第2四半期が15%減、第3四半期が16%増、第4四半期が26%増だった。新型コロナウイルスの影響は第2四半期に集中した形である。

 医療分野のレジナビフェアは、イベント開催自粛のためオンライン開催に切り替えて、20年7月~21年2月に約550施設の配信を実施した。全国のあらゆる病院の参加が可能になり、医学生も全国からアクセスできるようになった。病院の満足度は95%と好評だった。さらに準備コストも低減した。

 22年2月期連結業績予想は、売上高が21年2月期比7.2%増の400億円、営業利益が16.4%増の28億50百万円、経常利益が14.7%増の28億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が6.2%増の17億50百万円としている。配当予想は1円増配の17年(期末一括)である。

 日本クリエイティブ分野を中心にベース事業が伸長して、増収増益・最高更新予想としている。新型コロナウイルス感染再拡大の影響が不透明なため、やや保守的な計画としているようだ。上振れ余地があるだろう。

 なお中期経営計画を公表して、目標値に24年2月期の売上高460億円、営業利益35億円を掲げた。プロフェッショナル分野の拡大や新規サービスの創出を推進する。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。00年の上場来高値も視野に入りそうだ。4月8日の終値は1406円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS78円51銭で算出)は約18倍、時価総額は約324億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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