【特集】4月以降に自己株式取得を発表し業績が続伸予想にある銘柄に注目

■自己株式取得にサポートされる低PER銘柄

 今週の当特集は、5月の日経平均株価の2070円安で早々と「Sell in May」を織り込み、ここから期待通りの業績相場に仕切り直しすると想定することとした。となれば注目されるのは当然、自己株式取得にサポートされる低PER銘柄である。ターゲットは、今年4月以降に自己株式取得を発表し、業績が続伸予想にある銘柄となる。万が一にも5月相場の「Sell in May」の名残りが長引くとしても、下値抵抗力の強さを発揮してくれるはずだ。取得総額が、1000億円超の大型主力株から10億円前後にとどまる小型株まで、幅広い銘柄が有力株として浮上が期待される。

■株式分割のプラスαがオンのトヨタをトップに準主力株も追随高

 今年4月以降に自己株式取得を発表した銘柄のうち、取得総額が最大となったのは上限を4398億円超としたかんぽ生命保険<7181>(東1)で、これに2500億円のトヨタ自動車<7203>(東1)、2000億円のソニーグループ<6758>(東1)、1500億円のKDDI<9433>(東1)、500億円のファナック<6954>(東1)、富士通<6702>(東1)、三井物産<8031>(東1)、りそなホールディングス<8308>(東1)が続いてトップグループを形成する。このうち会計基準を変更して前期と今期の業績比較が不可能な銘柄を除いて今期業績の増益を予想しPER的にも割安な銘柄は、富士通、三井物産、トヨタ、オリックス、KDDIとなり、トヨタは、今年9月30日を基準日に1株を5株に分割する大きなプラスαがある。

 取得総額が100億円から400億円となる準主力株を同様の条件でスクリーングすると発表順に積水化学<4204>(東1)、日本ガイシ<5333>(東1)、双日<2768>(東1)、静岡銀行<8355>(東1)、めぶきフィナンシャルグループ<7167>(東1)、荏原<6361、12月期決算>(東1)が浮上し、PER評価は、7倍台~15倍台の間に分布し、この修正高が期待される。

■中小型株では素材系、金融系のクラスターにバリュー株人気

 取得総額が、数億円から60億円規模となる中小型株は数多い。そのなかで同様の条件の今期業績が増益予想で低PER評価にあるベスト15銘柄をスクリーニングすると次の銘柄が上げられる。日本冶金工業<5480>(東1)、ユナイテッド<2497>(東マ)、京葉銀行<8544>(東1)、滋賀銀行<8366>(東1)、佐藤商事<8065>(東1)、フタバ産業<7241>(東1)、グッドコムアセット<3475>(東1)、バンドー化学<5195>(東1)、燦ホールディングス<9628>(東1)、シイエム・シイ<2185、9月期>(JQS)、ライト工業<1926>(東1)、コジマ<7513、2月期>(東1)、中国銀行<8382>(東1)、積水樹脂<4212>(東1)、科研製薬<4521>(東1)と続く。

 トップの日本冶金工は、今期純利益の59%増益転換・連続増配予想で窓を開けて500円高したが、なおPERは5倍台の評価でしかなく、15位の科研製薬の12倍台まで分布しており、素材系、金融系のクラスターにバリュー株人気が高まる展開が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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