【木村隆のマーケット&銘柄観察】オムロンは今期再増額が有力で、証券会社の評価が高まる

木村隆のマーケット&銘柄観察

オムロン<6645>(東1)が盛り返し、再び高値更新に進んできた。レーティング最上位継続、目標価格の引き上げが、決算発表後7社に及び、アナリストの評価が高まっている。今2015年3月期の業績について会社側も増額修正に進んだが、実際にはそれに止まるものではなく、再増額が有力になっている。

現在予想PERは20倍と東証1部全銘柄平均(16・8倍)に比べやや割高である。しかし、それを補って余りある成長性が評価を高めるポイントになる。同社の株価は営業利益との連動性が高い。前期は営業増益、当上期も増益基調を維持。中期的にも、過去最高の営業利益の更新が続くことが予想されている。株価はなお上昇のポテンシャルを抱えていると思われる。

同社は様々なモノを計測するセンサーの技術に強みを持つ。これを活用した工場自動化用制御機器が主力事業。FA機器以外では、リレーやスイッチなどの電子部品、自動車用部品等を手掛け、計測技術を活かし、電子体温計、電子血圧計などの健康・医療機器も製造販売している。

各部門にわたり業績は好調だ。半導体・電子部品では、スマートフォンやタブレット関連の需要が順調に推移、世界的に自動車需要が拡大し、顧客である自動車メーカーの設備投資が活発化、車載事業も堅調に推移する見通しにある。健康機器の需要が海外を中心に拡大、新興国においてテレビCMや広告を積極的に展開しており、ブランド力向上による効果も期待できそう。

今期の営業利益は会社側見通しの840億円を上回る870億円(前期680億円)への再増額が有力なほか、来期も940億円へ大幅続伸が想定されている。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

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