ヤマシタヘルスケアホールディングスは22年5月期減益・減配予想だが保守的

(決算速報)
 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東1)は7月14日の取引時間終了後に21年5月期連結業績を発表した。営業強化などの施策も奏功して大幅増収増益・増配だった。22年5月期は新型コロナ影響や特需反動などで減益・減配予想としている。ただし期初時点では保守的な予想を公表する傾向が強いだけに上振れの可能性が高いだろう。なお中期経営計画も発表した。株価は反発の動きを強めている。目先的には減益・減配予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが下値限定的だろう。

■21年5月期大幅増益・増配、22年5月期減益・減配予想だが保守的

 21年5月期の連結業績は、売上高が20年5月期比8.5%増の701億31百万円、営業利益が72.8%増の9億68百万円、経常利益が59.7%増の10億26百万円、親会社株主帰属当期純利益が47.6%増の6億78百万円だった。配当は36円増配の90円(期末一括)とした。

 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う取引先医療機関における手術や検査・処置症例の減少で、消耗品の販売や商談の遅延などの影響を受けたが、期後半に需要が回復基調となった。さらに営業強化や物流管理強化などの施策が奏功し、複数の病院建て替え案件で想定を上回る受注を獲得したことも寄与した。

 医療機器販売業は8.5%増収(一般機器分野が23.8%増収、一般消耗品分野が5.8%増収、低侵襲治療分野が2.5%増収、専門分野が6.9%増収、情報・サービス分野が9.5%増収)だった。

 なお四半期別に見ると第1四半期は売上高155億28百万円で営業利益66百万円、第2四半期は売上高169億74百万円で営業利益3億61百万円、第3四半期は売上高172億81百万円で営業利益2億49百万円、第4四半期は売上高203億48百万円で営業利益2億92百万円だった。

 22年5月期の連結業績予想(収益認識に関する企業会計基準第29号を適用するため売上高の増減率は非掲載、利益への影響はなし)は、売上高が498億38百万円(第29号適用換算後で比較した場合は21年5月期比約8.0%減)、営業利益が44.0%減の5億42百万円、経常利益が43.0%減の5億84百万円、親会社株主帰属当期純利益が48.9%減の3億46百万円としている。配当予想は49円減配の41円(期末一括)としている。

 新型コロナウイルスの影響(取引先医療機関における手術や検査・処置症例の減少に伴う消耗品の販売減少)が継続し、前期に発生したコロナ対策補助金による一時的なコロナ関連商品の需要継続が見込めないため減収減益予想としている。ただし期初時点では保守的な予想を公表する傾向が強いだけに上振れの可能性が高いだろう。

 なお中期経営計画を発表し、最終年度24年5月期の目標値に売上高520億円、営業利益6億20百万円、経常利益6億80百万円を掲げた。

■株価は下値限定的

 株価は反発の動きを強めている。目先的には減益・減配予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが下値限定的だろう。7月14日の終値は2077円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円69銭で算出)は約15倍、時価総額は約53億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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