波乗り型投資家が小さな波に戯れる展開か=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

犬丸正寛の相場展望 来週の相場は日経平均でみれば、NYダウを横目でみながらの戻りを試す展開だろう。まず、25日線(2万0318円)を奪回し、さらに、その上に位置する2万0437円のフシを抜けば年初来高値2万0655円が見えてくる。一方、15日から連続で20億株前後の低空飛行状況が続いている東証1部出来高については30億株となるような盛り上がりは難しいだろう。

日経平均反発の理由としては、(1)去る、6月10日の2万0016円に対し18日の1万9990円が変則型の二番底となった、(2)NYダウは6月利上げの可能性が残っていたが、「年内ゆるやかに」という方向が示されたことで足元の景気の堅調を見直す展開となっている、(3)日本の景気、企業々績が堅調である、など。特に、株価上昇につながる決め手の材料があるわけではない。

とくに、足元で気になるのは、6月第2週において外国人投資家が約6週間ぶりにまとまって日本株を売り越したことである。ポートフォリオ組み換えによるものなのか、あるいは夏休みを前に一部を手仕舞っているのか定かではない。金融機関が下げたところは買っているが、これからも外国人投資家の売りが続くようなら上値は重いものとなりそうだ。

このため、マーケットでは「業績がよくて、しかも外国人投資家の売りが出ないような銘柄が狙われるだろう」(中堅証券)との見方もある。主力株にとって頼みの円安も足元では膠着状態となっている。

もう一方の頼みのNYダウが最高値を更新してくれば日本のマーケットには押し上げ効果が期待されるが、利上げ後の米国景気の行方という観点からは中期的には強気になり難いところである。NYダウに多くを望めないということになれば日経平均でみれば高値圏のモミ合いで、短期波乗り型投資家が小さな波を捉えての展開ということになるのではなかろうか。

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