綿半ホールディングスは22年3月期2Q累計減収減益だが通期増収増益予想据え置き

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東1)は、10月28日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。小売業における巣ごもり特需の想定以上の反動減などで減収減益だった。ただし通期の増収増益・7期連続最高益更新予想を据え置いた。後半挽回して通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は小幅レンジでモミ合う展開だが、10月27日発表の第2四半期累計業績予想下方修正に対して急反発の反応となった。上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計は減収減益、通期小幅増収増益予想据え置き

 22年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比8.6%減の538億34百万円、営業利益が67.3%減の7億52百万円、経常利益が60.7%減の9億57百万円、親会社株主帰属四半期純利益が47.7%減の8億07百万円だった。

 小売業における巣ごもり特需の想定以上の反動減、お盆時期の豪雨の影響、夢ハウスの株式取得に伴う一時費用計上などで減収減益(10月27日に売上高、利益とも下方修正)だった。

 小売事業は売上高が3.7%減の381億17百万円で営業利益が47.5%減の8億49百万円だった。売上面は前年のコロナ禍に伴う巣ごもり特需の反動減が想定以上だったことに加えて、お盆時期の豪雨も影響した。利益面は利益率の高いDIY商品などの特需反動減や店舗改装費用の発生などが影響した。

 建設事業は売上高が20.7%減の126億30百万円で営業利益が41百万円の赤字(前年同期は6億26百万円の黒字)だった。コロナ禍による前期の受注減少が影響した。ただし受注環境が改善傾向を強め、受注残高は46.7%増加した。

 貿易事業は売上高が9.2%減の29億45百万円で営業利益が23.6%減の4億52百万円だった。前年のコロナ禍に伴う医薬品安定供給確保のための在庫積み増し特需の反動減などで減収減益だった。

 なお全体業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高260億23百万円で営業利益3億36百万円、第2四半期は売上高278億11百万円で営業利益4億16百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比4.5%増の1200億円、営業利益が2.7%増の33億71百万円、経常利益が0.6%増の35億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.4%増の21億円としている。7期連続最高益更新予想である。配当予想は1円増配の21円(期末一括)としている。

 第2四半期累計は巣ごもり特需の反動減などの影響を受け、通期予想に対する利益進捗率も低水準(営業利益22%、経常利益27%、純利益38%)だが、小売事業では生鮮食品を導入してスーパーセンター化した店舗や、医薬品を導入した改装店舗が好調に推移している。建設事業では受注環境が改善し、木造住宅分野が大幅伸長している。貿易事業ではコロナワクチン副反応対策で解熱鎮痛用途の需要が増加している。後半挽回して通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は急反発の動き

 株価は小幅レンジでモミ合う展開だが、10月27日発表の第2四半期累計業績予想下方修正に対して急反発の反応となった。通期予想を据え置いたことで安心感が優勢のようだ。上値を試す展開を期待したい。10月28日の終値は1276円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円98銭で算出)は約12倍、時価総額は約253億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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