トーソーは22年3月期2Q累計減益、通期予想据え置き

(決算速報)
 トーソー<5956>(東2)は11月1日の取引時間中に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。住宅分野は持ち直しの動きが見られたが、コロナ禍の影響などで宿泊施設を中心に非住宅分野の需要が減少し、世界的な原材料価格高騰も影響して減益だった。通期予想は据え置いた。後半の挽回を期待したい。株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だ。ただし第2四半期累計減益に対するネガティブ反応も限定的だった。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計は原材料価格高騰などで減益、通期予想据え置き

 22年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比1.0%減の99億47百万円、営業利益が25.9%減の2億35百万円、経常利益が23.5%減の2億55百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.8%減の1億55百万円だった。なお収益認識基準適用で売上高は17百万円減少、営業利益は4百万円減少した。

 住宅分野は持ち直しの動きが見られたが、コロナ禍の影響などで宿泊施設を中心に非住宅分野の需要が減少して微減収となり、世界的な原材料価格高騰も影響して減益だった。売上総利益率は0.4ポイント低下して42.6%だった。

 セグメント別に見ると、室内装飾関連事業は売上高が1.6%減の97億51百万円で営業利益が30.1%減の2億25百万円だった。非住宅分野を中心に売上が伸び悩み、営業費用の増加も影響した。その他は売上高が45.1%増の1億95百万円で営業利益が10百万円(前年同期は4百万円の損失)だった。小売店の営業再開などでステッキやシルバーカーなどの歩行支援用品の売上が増加した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が48億44百万円で営業利益が90百万円、第2四半期は売上高が51億03百万円で営業利益が1億45百万円だった。

 通期予想(収益認識基準適用のため前期比増減率は非記載)は据え置いて、売上高が217億円、営業利益が7億20百万円、経常利益が7億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が4億70百万円としている。21年3月期実績値(収益認識基準適用前)との単純比較で売上高は1.3%増収、営業利益は34.4%減益、経常利益は36.0%減益、当期純利益は37.3%減益となる。配当予想は21年3月期と同額の10円(第2四半期末5円、期末5円)である。

 コロナ禍による不透明感などを考慮して減益予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高が45.8%、営業利益が32.6%、経常利益が34.9%、純利益が33.0%と低水準の形だが、需要が緩やかに回復基調であり、後半の挽回を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は上値が重く小幅レンジでモミ合う形だ。ただし第2四半期累計減益に対するネガティブ反応も限定的だった。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月1日の終値は528円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円67銭で算出)は約10倍、時価総額は約53億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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