アイリッジは22年3月期2Q累計大幅増収・黒字転換、通期大幅営業増益予想据え置き

(決算速報)
 アイリッジ<3917>(東マ)は11月12日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。デジタルマーケティング領域が牽引して大幅増収・黒字転換した。そして通期大幅営業増益予想(レンジ予想)を据え置いた。通期ベースでも収益拡大を期待したい。なお11月17日放送予定の日経CNBC「~攻めのIR~Market Breakthrough」に小田健太郎代表取締役社長が出演する。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。黒字転換を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増収・黒字転換、通期大幅営業増益予想据え置き

 22年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比15.9%増の24億17百万円、営業利益が80百万円の黒字(前年同期は15百万円の赤字)、経常利益が79百万円の黒字(同13百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が43百万円の黒字(同11百万円の赤字)だった。デジタルマーケティング領域が牽引して大幅増収・黒字転換した。

 単体ベースの売上高は15.3%増の14億73百万円だった。アプリ開発やアプリマーケティング関連が好調に推移し、第2四半期累計として過去最高の売上高となった。オフラインプロモーション領域の連結子会社Qoil他の売上高は17.0%増の9億44百万円だった。新型コロナ影響が和らいで売上回復傾向となった。

 利益面では、事業拡大に向けた採用強化で採用費や人件費が増加したが、全体の売上総利益率が2.8ポイント改善して販管費増加を吸収した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が11億35百万円で営業利益が3百万円、第2四半期は売上高が12億81百万円で営業利益が77百万円だった。ストック型収益の売上高は第1四半期が4億02百万円(売上構成比35.5%)、第2四半期が4億12百万円(同32.2%)だった。FANSHIP導入アプリの合計MAU(四半期平均)は、第1四半期が22.6%増の5788万ユーザー、第2四半期が26.6%増の5977万ユーザーだった。

 通期の連結業績予想(売上高と営業利益をレンジ形式で開示)は据え置いて、売上高が48億円~55億円(21年3月期比10.0%増~26.1%増)、営業利益が1億50百万円~2億円(同32.7%増~76.9%増)としている。

 オフラインプロモーション領域への新型コロナ影響を考慮してレンジ予想だが、成長に向けた投資を継続しながらもデジタルマーケティング領域が牽引して大幅増収・営業増益予想としている。

 通期予想の上限値に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が44.0%、営業利益が40.1%だった。下期偏重の収益特性があることを考慮すれば順調な進捗率と言えるだろう。

 さらに下期は緊急事態宣言解除・経済活動再開に伴って、オフラインプロモーション領域における新型コロナ影響が和らぐことも予想される。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。黒字転換を評価して出直りを期待したい。11月12日の終値は755円、時価総額は約53億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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