【株価診断】リボミックスは上場時高値に対し7合目、糖尿病性網膜症治療薬を期待して全値戻しも

株価診断

リボミックス<4591>(東マ・売買単位100株)は、2003年8月に医薬品開発のコンサルティングを目的に設立、05年に東京大学とRNAアプタマー創薬に関し共同研究を開始した。2014年9月に上場した。

DNAとRNAという2種類の核酸が、遺伝や生命の仕組みの根幹を担っているという。RNAの基礎的な研究の過程で、「タンパク質とRNAの分子擬態」という現象を発見。とくに、RNAに、しなやかな「造形力」があり様々な標的タンパク質に対しジャストフィットして結合し、その働きをおさえることが判明、アプタマー医薬開発を展開している。具体的事業としては、創薬プラットフォーム「RiboARTシステム」によるRNAアプタマーを用いた分子標的薬の研究・開発である。

創薬事業は、「自社創薬」と、「創薬企業との共同研究」という2つから成っている。自社創薬は一定の開発段階まで自社独自で医薬候補となるアプタマーを開発し、成果を製薬企業にライセンス・アウトすることで収入を得る。一方、共同研究においては製薬企業と共同で研究を行い同社が分担する業務について収入を得、さらに、一定の開発段階に達した時点で権利をライセンス・アウトし一時金やマイルストーン収入を得る。

大塚製薬、全薬工業、大正製薬などと共同研究を行い、ライセンス先は藤本製薬に疼痛適応の神経成長因子(NGF)を導出している。また、連携先として東京大学、名古屋大学、東北大学、理化学研究所などとなっている。

昨年4月に藤本製薬(大阪府)との間で疼痛薬として開発中のRBM004について全世界を対象としたライセンス契約を締結し契約一時金を計上した。2015年3月期は売上4億7900万円(14年3月期1億5100万円)と大きく伸長、営業利益600万円(同4億1400万円の赤字)だった。

研究中のマトリックスタンパク質であるペリオスチン標的のアプタマーについて開発進展に伴い「RBM008」のコードを設定し糖尿病性網膜症治療薬として開発を進めている。

発行済株式数約1283万株、大株主には共同研究先の製薬会社が名を連ねている。2016年3月期は売上1億9900万円、営業赤字4億3900蔓延、最終損益も赤字4億0700万円の見通しで無配。

昨年9月上場時の初値1830円に対し直後に2078円まで駆け上がった。11月に1881円と再度、買われたものの後援続かず調整入りし今年5月には954円まで高値から52%下げた。ただ、新規上場銘柄の多くが7割ていどの調整となることに比べると下げは小さかった。6月には1439円と高値に対しほぼ7合目まで戻している。

チャート面では5月安値から6月高値までが一段上げだろう。足元では1200円台へ調整だが、26週線を下値サポートとして値を固め2段上げに向かうものとみられる。1部市場で輸出関連の主力銘柄にモタつきがみられることからバイオベンチャー銘柄に人気が高まれば高値2078円挑戦が見込めそうだ。

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