日本エム・ディ・エムは22年3月期3Q累計大幅増収増益

(決算速報)
 日本エム・ディ・エム<7600>(東1、新市場区分プライム)は1月31日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。全体としてコロナ禍の影響が和らぎ日本、米国とも症例数が回復基調となって大幅増収増益だった。通期予想を据え置いたが上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増収増益、通期予想据え置きだが上振れ余地

 22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識基準適用、利益への影響なし)は、売上高が前年同期比13.6%増の139億78百万円、営業利益が26.9%増の19億91百万円、経常利益が27.1%増の19億54百万円、親会社株主帰属四半期純利益が60.6%増の16億34百万円だった。

 全体としてコロナ禍の影響が和らぎ日本、米国とも症例数が回復基調となって大幅増収増益だった。なお収益認識基準適用の影響額として、売上高と販管費がそれぞれ2億10百万円減少したが、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益への影響はなかった。また特別利益には、米国で発生した債務免除益3億06百万円を計上している。

 セグメント別に見ると、日本国内は売上高が8.1%増の87億38百万円で営業利益が29.1%増の12億40百万円、米国は売上高が12.4%増の79億54百万円で営業利益が0.7%増の7億14百万円だった。米国の外部顧客向け売上高は米ドルベースで17.8%増収となり、円換算後では24.0%増の52億39百万円となった。

 分野別の売上高(収益認識基準適用前数値)は、人工関節分野が米国の回復で合計15.4%増(日本が4.5%増、米国が23.9%増)の86億15百万円、骨接合材料分野が日本国内の順調推移で10.6%増の29億26百万円、脊椎固定器具分野が日本国内の順調推移で合計21.0%増の23億22百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が45億37百万円で営業利益が5億54百万円、第2四半期は売上高が43億21百万円で営業利益が5億04百万円、第3四半期は売上高が51億20百万円で営業利益が9億33百万円だった。なお整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があり、業績も下期の構成比が高い季節特性がある。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が21年3月期比11.7%増の187億円、営業利益が24.5%増の27億円、経常利益が24.7%増の26億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が8.1%増の18億円としている。配当予想は1円増配の12円(期末一括)としている。

 新型コロナウイルスや日本の診療報酬改定などのマイナス影響を想定するが、前期に新型コロナウイルスの大きな影響を受けた米国市場において下期の症例数回復を想定し、通期ベースで2桁増収、2桁営業・経常増益予想としている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75%、営業利益が74%、経常利益が74%、親会社株主帰属当期純利益が91%と順調である。整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があり、業績も下期の構成比が高い特性があることを考慮すれば通期予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪化も影響して昨年来安値を更新する展開だが売られ過ぎ感を強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。1月31日の終値は1493円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS68円22銭で算出)は約22倍、時価総額は約395億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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