ベステラは23年1月期1Qが2桁営業増益と順調で通期上振れ余地

(決算速報)
 ベステラ<1433>(東証プライム)は6月9日の取引時間終了後に23年1月期第1四半期連結業績を発表した。大型工事が順調に進捗し、先行投資を吸収して2桁営業増益と順調だった。通期(大型工事が進捗して増収・営業増益、一過性利益剥落で経常・最終減益)予想は据え置いた。第4四半期の構成比が高い収益特性も勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。今期も受注見込みの有力案件が多数控えており、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は底固め完了して緩やかながら反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■23年1月期1Qが2桁営業増益と順調で通期上振れ余地

 23年1月期第1四半期(22年2月~4月)の連結業績は、売上高が前年同期比27.5%増の16億81百万円、営業利益が10.3%増の2億18百万円、経常利益が11.9%増の2億19百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.2%減の1億21百万円だった。

 売上高は第1四半期として過去最高を達成した。大型の進行基準工事が順調に進捗し、21年12月に子会社化した矢澤(アスベスト除去工事に強みを持つ環境対策工事)の連結も寄与した。コスト面では先行投資で人件費などが増加したが、増収効果で吸収して2桁営業増益だった。

 プラント解体事業の完成工事高は29.2%増の16億22百万円で、完成工事の業界別構成比は電力が9%、製鉄が25%、石油・石化が33%、環境が19%、ガスが2%、3Dが2%、その他が10%だった。環境関連の工事需要の高まりや矢澤のグループ化で環境分野の構成比が上昇している。なお受注工事高は115.6%増の17億04百万円で、受注残高は16億76百万円となった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年1月期比12.3%増の67億円、営業利益が2.0%増の6億20百万円、経常利益が20.8%減の6億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が68.1%減の4億69百万円としている。配当予想は22年1月期比4円増配の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。

 前期に計上した一過性利益(持分法投資利益、特別利益)が剥落し、さらに成長投資(新たな環境関連工法の研究開発、クレーンレール検査ロボット開発、人材育成システムの構築、積極的なM&Aなど)で経常・最終減益予想としている。ただし完成工事が順調に進捗して増収・営業増益見込みである。そして受注も堅調に推移する見込みだ。

 第1四半期の営業利益進捗率は35.3%と順調である。第4四半期の構成比が高い収益特性も勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。今期も受注見込みの有力案件が多数控えており、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は底固め完了して反発の動き

 株価は底固め完了して緩やかながら反発の動きを強めている。好業績を評価して出直りを期待したい。6月9日の終値は1238円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円40銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円81銭で算出)は約2.5倍、そして時価総額は約109億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る