綿半HDの前3月期は営業利益24%増加、小売り事業で新物流センターが稼働し効率化が大きく前進

(決算速報)

■上場10周年の記念配当を実施、今期は純利益が3期ぶり最高を更新

 綿半HD(綿半ホールディングス)<3199>(東証プライム)の2025年3月期・連結決算は、「綿半スーパーセンター」や「綿半ホームエイド」などの小売事業と、木造建築、鐵構、屋根外装改修などの建設事業が牽引し、売上高は前期比4.3%増の1335億94百万円となり、営業利益は同24.0%増の35億1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.0%増の20億77百万円となった。

 3月期末配当(期末のみ実施中)に上場10周年の記念配当を1株につき5円上乗せし、計29円の予定とした。前期比6円の増配になる。

 小売事業では、「店舗改装・新業態の開発を継続して推進」「流通網の拡大」「オリジナル商品開発・SPA化の加速」を重点施策として取組んだ。4月から自社の新物流センター(長野県飯田市)が稼働し、物流の効率化が大きく前進。漁船で採れた魚を丸ごと買付ける「一船買い」の販売エリアを拡大し、鮮度の高い商品をより安く提供する施策などが進んでいる。また、自社農場「綿半ファーム」で生産した赤身の美味しさが特徴の牛肉「SHINルビー牛」を綿半スーパーセンター各店で販売開始した。さらに、AI・IoT等を活用した完全無人化・無臭豚舎(長野県筑北村)を建設しており、高品質な豚肉の生産にも力を入れていく。

 建設事業では、木造建築、鐵構、屋根外装改修、自走式立体駐車場等を展開。「木材の加工・流通網の構築」「商品開発の推進」「海外ネットワーク構築」を重点施策として取組んだ。4月に木材の製造販売を行う綿半建材(長野県松本市)、9月に民有林の整備・国有林の施業請負などを行う須江林産(長野県佐久市)がグループ入りした。これにより、素材丸太の生産から製材への加工、流通まで一貫したサービスの提供が可能となった。25年4月には木質バイオマス発電事業を行うソヤノウッドパワーから事業を継承した。

 「海外ネットワーク構築」では、近年の鉄骨需要の拡大と物件大型化に対応するため、ミャンマー、中国(大連)、ベトナムにCADセンターを開設し、教育プログラムによる設計支援の強化やDX化による作業効率化を図り、生産性向上に取組んだ。

 今期・26年3月期の連結業績予想は、売上高を1390億円(前期比4.0%増)とし、営業利益は38億40百万円(同9.7%増)、経常利益は40億円(同4.9%増)親会社株主に帰属する当期純利益は23億円(同10.7%増)を想定する。純利益は23年3月期の過去最高額を3期ぶりに上回り最高を更新することになる。配当(期末のみ実施中)は25年3月期に実施した上場10周年の記念配当を継続した上で1株につき1円増配し30円の予定とした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■新エネルギーマネジメントシステムで約10%の省エネ運行を実現  三菱重工業<7011>(東証プラ…
  2. 生成AI
    ■日本のAI競争力強化と社会実装加速を目指す国家戦略  経済産業省は、生成AIの社会実装を強力に推…
  3. ■円安と生産コスト上昇が直撃、値上げ難で経営圧迫  ステーキ店の経営悪化が鮮明になっている。帝国デ…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  2. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  3. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  4. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…
  5. ■トランプ相場圏外から「コメ」が主役へ!備蓄米争奪戦が炙り出す新テーマ株  今週の当コラムは、「ト…
  6. ■「備蓄米」争奪戦の裏で石破内閣の命運を握るコメ価格高騰  まさに「令和の米騒動」である。江戸時代…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る