【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】膵がんの危険因子から予防について

ドクター箱崎幸也 健康増進実践法

■バイアスピリンが膵臓がんを抑える効果報告も

前月にも説明させていただきましたが、残念ながら生活習慣の中での膵癌予防策は見つかっていません。しかし我が国の膵癌登録報告によると、膵癌患者の既往歴では糖尿病が25.9%と最も頻度が高く、糖尿病歴のある男性での膵癌発症の危険率は正常の人と比べ1.85倍高いと報告されています。

糖尿病男性は、腹痛や背部痛(背中の真ん中あたり)があると直ちに腹部超音波検査やCT検査を受けて、膵癌の早期発見や少なくとも明らかな膵癌はないことを確認して下さい。

最近米国からコネティカット州の住民約1,000人を対象とした低用量アスピリン内服と膵癌発症との関連が追跡調査され、20年以上内服した人で膵癌発症リスクが61%も低下することが報告されました。低用量アスピリン(商品名:バイアスピリン)は、心筋梗塞や脳梗塞予防で内服している人も多いので朗報かもしれません。ただし、この報告が本当に正しいのか、どの位の量を毎日内服するのが良いのか、今後の研究が待たれます。

膵癌の早期発見には、CEA(癌胎児性抗原)やCA19-9(糖鎖抗原19-9)などの癌マーカーなどが知られています。しかし私の経験では、高CA19-9値を人間ドックで指摘され、膵癌が指摘された患者さんは1人しかいません。殆どが腹痛や糖尿病の経過観察中の患者さんです。多くの研究者が膵癌に有用なマーカーを開発していますが、残念ながら決定的なマーカーは発見されていないのが実情です。

一般的に癌マーカーは肺癌や大腸癌も同様ですが、癌診断時に高値であれば外科手術後の治療効果判定や再発の観察に有用ですが、早期発見には不向きです。例えば、CA19-9は日本人の約10%は上昇しません。膵癌の発症予防には、現段階では血糖値のコントロールが最も近道かもしれません(元気会横浜病院々長・元自衛隊中央病院消化器内科部長)。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■オーダーメイド開発と人材リスキリングで業務変革を伴走支援  ベルシステム24ホールディングス<6…
  2. ■調査件数拡大と効率化で追徴税額1431億円  国税庁は12月、令和6事務年度における所得税および…
  3. ■企業の6.5%がクマ出没による業務影響と回答、宿泊業で4割に迫る  東京商工リサーチ(TSR)は…
2026年2月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
232425262728  

ピックアップ記事

  1. ■総選挙後に本番、米・卵関連株など食料品銘柄に再評価期待  消費税減税をめぐる関連株の動向が、過去…
  2. ■円安・円高が日替わり、内外市場で一波乱二波乱の可能性  内外のマーケットが激動含みである。これが…
  3. ■地方銀行:収益改善、昨年11月の業績上方修正が寄与  昨年来高値更新銘柄の1割超を占める銀行株は…
  4. ■超短期決戦の総選挙で市場動向が政治判断に影響  いよいよ衆議院議員選挙だ。みょう27日に公示され…
  5. ■AI以外に目を向けよ、割安株に潜む上昇機会  1980年代のバブル相場では、産業構造改革で「軽薄…
  6. ■利上げと解散総選挙、日本経済の分岐点迫る  今週は、運命の1月22日、23日が控えている。1月2…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る