【材料でみる株価】外国人観光客増加で注目の日本ビューホテル、今期2ケタ増益、株価高値圏頑強

材料でみる株価

日本ビューホテル<6097>(東2・売買単位100株)は従来のクレジットカード決済サービスに加えて、銀聯カードおよびDCC決済を直営店4店舗で導入(浅草ビューホテル、高崎ビューホテル、伊良湖ビューホテル、成田ビューホテルのDCC決済サービス導入はまだだが銀聯カードは対応)し、訪日した外国人のサービス向上を図る。

DCCサービスを使用する場合、自国通貨決済を選ぶと、為替変動リスクを心配することなく、安心して決済することが出来るため、外国人観光客にメリットとなるのは確かで注目を集めよう。訪日外国人数は増加傾向をたどり、2014年に1340万人と過去最多となり、近いうちに2000万人突破が見込まれる。同社はこうしたことに対応して事業拡大を推進する。

最近では、中国株の暴落で、訪日中国人が激減するのではないかとの懸念が一時、広がり「インバウンド」関連株が売られたが、銀座などでは依然として中国人観光客でにぎわっており、杞憂に終わりそうだ。

そもそも日本に訪れる中国人観光客は「日本製品の購入」(関係者)が主な目的だ。リピーター観光客が6割、7割と高いのはそのためで、「中国経済崩落で資産価値が減少する危険のある人民元を、安全な日本の資産に換えることが(日本製品買いの)本当の狙い」(同)という。このため、中国株が急落すれば、かえって資産を人民元から日本円に換える、資産逃避の流れが加速する。つれて、上海株が急落するとかえって訪日中国人は増加する可能性が高いわけで、この観点から上海株の急落に関係なく、訪日中国人が減ることはないだろう。こうした意味合いから同社の取り組みは評価に値する。

業績も好調で2016年4月期は売上高190億9300万円(前期比5.0%増)、営業利益9億6100万円(同10.5%増)を確保する見込み。浅草ビューホテルの改装工事費用などで経常利益8億3900万円(同20.7%減)、純利益4億1300万円(同29.7%減)と減益を余儀なくされるが、先行投資の結実期を迎える来期以降、期待される。

株価は上海株急落などの影響を受けて、6月に一時的に2000円を割り込んだが、その後、切り返して2382円高値(2015年4月)奪還を伺う展開となっている。「インバウンド」関連株として再度、人気を集めつつあるようだ。株式市場で「インバウンド」関連株の人気は隆盛を取り戻すと推測される。

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