クリーク・アンド・リバー社グループの「VR Japan」がAR技術提供とシステム開発を担当し順天堂大学と共同研究、ARを活用した安全な胸腔ドレナージ

■4/18(月)から順天堂大学がクラウドファンディングを実施

 クリーク・アンド・リバー社(C&R社)<4763>(東証プライム)のVR分野の子会社VR Japan(VRJ)は4月19日、順天堂大学医学部呼吸器外科学講座(主任教授:鈴木健司)とのAR(拡張現実)を用いた安全な「胸腔ドレーン挿入法(胸腔ドレナージ)」の共同研究において、AR技術の提供とシステム開発を担当すると発表。この研究に対するシステム構築の早期実現に向け、学校法人順天堂大学は4月18日(月)からクラウドファンディングを開始した。

【胸腔ドレナージとは】

 体内に貯留した血液・膿・浸出液・気体などを体外に排出することを「ドレナージ」と言い、医療現場において一般的に行われている処置。腹水に対する腹腔ドレナージや、気胸に対する胸腔ドレナージが代表的なものとしてあげられ、胸腔ドレナージでは、肺と胸壁の間の胸腔に”胸腔ドレーン”と呼ばれるチューブを挿入し、溜まった液体や空気を取り除く。なお、胸腔ドレーンの挿入事例は、順天堂大学医学部附属順天堂医院だけでも年間1300例ほどに上る。

■クラウドファンディング実施の背景

 安全にドレナージを行うためには、体腔内の状況をできるだけリアルタイムで認識することが重要。腹腔内は超音波によって臓器の位置や腹水の貯留状況を知ることができるため、腹腔ドレナージでは超音波検査が多用されるが、一方で、気体が介在する胸腔では、超音波が気体に跳ね返されてしまうことから、胸腔ドレナージの際には超音波検査を用いることはできない。そのため胸腔ドレナージを行う場合は、胸部CTを撮像し、事前に術者が頭の中で詳細に分析したうえで、患者のベッドサイドでドレーンを挿入する必要があった。この方法で安全にドレナージを行える場合もあるが、実際には胸膜の異常な肥厚や、胸腔のドレナージスペースの狭小化などの理由から、実施が極めて困難となるケースが多く生じているのが現状。また、胸腔ドレーン挿入時にしばしば発生する胸腔臓器損傷は重大な合併症を引き起こすことからも、安全な胸腔ドレーン挿入法の開発は不可欠だった。

 この現状を打破するため、ARを用いて胸部CTの情報をARグラスに反映して”体腔内を透視した状況”を実現し、胸腔ドレーンの安全な挿入をサポートするシステム構築の研究を推進するため、クラウドファンディングを実施することとなった。

【クラウドファンディング名】
「肺がんなどの治療で行う胸腔ドレナージ|映像技術の開発で安全性向上へ」

■研究概要=予め撮影したCT画像を、臓器、血管、神経の位置関係を立体的に把握するために3D画像データとして処理し、術者のARグラス上で患者の画像に重ね合わせる。これにより、あたかも眼前の患者の体内を透視しているような環境下で、安全にドレーンチューブを体内に挿入することを可能にするための手法と技術の研究を行う。
■募集期間=2022年4月18日(月)~5月31日(火)23:00
■目標金額=6,500,000円
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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