建設技術研究所は22年12月期1Q進捗率順調、通期上振れ余地

(決算速報)
 建設技術研究所<9621>(東証プライム)は、5月11日の取引時間終了後に22年12月期第1四半期連結業績を発表した。収益認識会計基準適用のため前年同期比増減率は非記載だが、受注が好調に推移して通期予想に対する進捗率は順調だった。さらに通期予想に上振れ余地がありそうだ。防災・減災対策やインフラ老朽化対策など国土強靭化政策関連で事業環境が良好であり、収益拡大基調だろう。株価はやや小動きだが、下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■22年12月期1Qの進捗率順調

 22年12月期第1四半期の連結業績(収益認識会計基準適用のため前年同期比増減率は非記載)は、売上高が235億38百万円、営業利益が34億90百万円、経常利益が35億31百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が24億44百万円だった。グループ合計の受注高は前年同期比18.9%増の246億47百万円だった。

 収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が127億24百万円増加、売上原価が85億19百万円増加、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ42億04百万円増加している。なお収益認識会計基準適用前の前年同期実績は売上高が127億41百万円、営業利益が4億41百万円、経常利益が5億01百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億26百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が780億円、営業利益が64億円、経常利益が65億円、親会社株主帰属当期純利益が43億円としている。グループ合計受注高は21年12月期比6.5%減の790億円の計画である。配当予想は21年12月期と同額の60円(期末一括)としている。

 収益認識会計基準適用前の21年12月期実績(売上高744億09百万円、営業利益69億91百万円、経常利益71億18百万円、親会社株主帰属当期純利益44億71百万円)との単純比較で見ると売上高は4.8%増、営業利益は8.5%減、経常利益は8.7%減、親会社株主帰属当期純利益は3.8%減となる。コロナ禍の不透明感や中期成長に向けた先行投資などを考慮しているようだが、やや保守的だろう。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高30.2%、営業利益54.5%、経常利益54.3%、親会社株主帰属当期純利益56.8%だった。公共事業への依存度が高く、業務の進捗が年度末に集中するため、売上高・利益とも第1四半期に偏る収益特性があるが、この点を考慮しても概ね順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。防災・減災対策やインフラ老朽化対策など国土強靭化政策関連で事業環境が良好であり、収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

 株価はやや小動きだが、下値固め完了して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。5月11日の終値は2311円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS304円11銭で算出)は約8倍、時価総額は約327億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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